約 5,243,886 件
https://w.atwiki.jp/yukkuri_gyakutau2/pages/2890.html
『SSC part2』 presented by 春巻 ※注意 このお話の《おにいさん》は、香霖堂の店主、河城にとり、さらにはAQNと仲が好い。というように、幻想郷メンバーに知り合いはそれなりに居る設定。 幻想郷キャラには協力を仰ぐ程度で、台詞は存在しない。 冒頭で登場するゆっくりは《直接的で》肉体的な虐待は受けない……けど。 ハイテクな製品が登場しますが、舞台は幻想郷である。 おにいさんがハイテク機器を巧みに操れるのは、にとりちゃんの指導もあるが、おにいさん本人が幻想郷に来る以前はシステムエンジニアをしていたから。 過度な改行はしていない。読みにくければ各自Windowsのメモ帳などにコピペするなど、折り返し機能のあるテキスト閲覧ソフトを使ったりして自分で見やすくして欲しい。というか、メモ帳にコピペしたほうが見やすい、これ絶対。(∵Word2007を使用している) ※以上、注意 朝の目覚めは、優雅に珈琲を飲みながら。 「ゆううううううう!! どぼぢでこんなことにいいいい!!」 「ゆっぐりさせてよおおおおおおおおお!!」 ゆっくりの悲鳴を聞くことから始まる。 ○ お久しぶりですね。 先日、SSC――スーパースローカメラで撮影した活動写真でゆっくりをいじめたおにいさんです。 あの映像を見せた後で、あまりの精神的衝撃に耐え切れず死んだぱちゅりーを処理しようと部屋に入ったところ、れいむも餡子を吐ききって息絶えていた。 タイミングを考慮して、恐らく眼窩から眼球と餡子が飛び出していったところで、心が壊れてしまったようだ。 ちぇんやまりさも具合はよくないようだったが、れいむほどではない。れいむ種というものは、精神面においてはぱちゅりーほどに弱いのかもしれない。 それから一夜経った今日は、先日の生き残りに加えて、今朝玄関先の罠にかかっていたゆっくり四つを追加した。 罠と言っても、よく聞かれるものだ。開け放された窓のしたに落とし穴を掘っただけ。人間、しかもおにいさんの家であり、その癖開け放された窓。何か仕込まれているのではないか、こいつは怪しいぞ、と他の妖怪や妖精ならば考えそうなものだ。たとえチルノでもそう考えるだろう。あの氷精だって計算くらいは簡単に出来るし、弾幕ごっこだって状況判断して出来るじゃないか。 ま、今は氷精を語っても意味が無い。ゆっくりいじめだからな、このスレッドは。 今日捕まえられたゆっくりは、れいむ、まりさ、ぱちゅりー、ありす。 ありすは、今までここに来たことは無かった。俺が捕まえてくるのは大概が《れい・まり》コンビであったので、いつもと違う反応が見られるかもしれない。 さらに、正直なことを言うと、ぱちゅりー種はあまり来てほしくない。頭がよく、液晶テレビに表示した文字などを簡単に読んでくれる面では重宝しているが、精神的ショックによる喘息の発作(本当にそうなのかは判じ得ないところがある)ですぐに死んでしまい、面白くないのだ。 ビデオを作りときにも、すぐ死んでしまうために面白い反応が得られにくいのだ。 何か、ぱちゅりーを使っても愉快に虐待できる題材があったら、ぜひ教えていただきたい。 さて。 それでは、本日のビデオを放映するとしよう。 今日は、前回も登場し手伝ってくれた虐待おにいさんと、にとりちゃん。更には『文々。新聞』でおなじみの、射命丸文ちゃんにも協力願った。文ちゃんには、空撮をお願いしたのだが、こういってしまうと何をとったか推測できるかもしれないので、早速ビデオを再生するとしよう。 遠隔操作で部屋の照明を落とす。現在は正午を過ぎたくらいであるため、明るさは然程変わらない。そのため、もうひとつの釦を操作して厚手のカーテンを閉めた。これで虐待部屋に光は殆んど入ってこなくなった。 その様子を見ていたゆっくりたち(現在は十個居る)は、俄かに騒ぎ出す。誰も来ていないし、何もしていないのに部屋が真っ暗になったのだ。ハイテク機器のいろはも解からないゆっくりには脅威だろう。 中でも、昨日、似たような体験をした記憶があるまりさとちぇんは、一際騒ぎ立てていた。ゆっくりできなくなるよー、という絶叫は、この上なく邪魔である。 最も、今はそれどころではない。 さっさとスペシャル映像を見てみたいだろう。 まずは標準カメラで地上から撮影したものだ。 ○ 「おそらをとんでいるよ!! ほんとにおそらをとんでいるよ!!」 「れいむ!! まりさたちとりになったみたいだぜ!! これでもうすぐゆっくりぷれいすにつくんだぜ!!」 「ゆゆゆううううう!!」 「うーっ、うーっ!!」 繁みから撮っているため視覚的には判別しにくいが、声で判ると思われる。 上空十メートルほどのところには、うーぱっくに乗ったれいむとまりさが空中散歩を楽しんでいる。 うーぱっくは全部で五個。その内三個には何も乗っていないようだ。 恐らく、どこかの人間の畑に降り立って作物を食い荒らし、あまつまで盗んでしまおうという腹のようだ。 うーぱっくと共に動き回る盗賊ゆっくりがいるというのは、最近ではよく聞く話になった。れみりゃ種亜種のうーぱっくの性質を巧く利用した、賢い奴らだ。 この先にあるのは小さな集落。住んでいるのは年配の、しかも普通の人間である。盗みやすいことこの上ないのだが、その情報はどこから手に入れたのだろうか。有能なボスの手下なのかもしれない。 しかし、このゆっくりたちを乗せているうーぱっくは大柄だ。一般的なサイズとしては大人のゆっくりを乗せるとスペースがなくなるはずだが、まるでゆっくりふたつを乗せても問題が無いように見える。 だが、その方が好都合だ。 「ゆゆっ!! れいむ!! はたけはもうすぐなんだぜ!!」 「ほんとだね、まりさ!! にんげんたちはれいむたちのためにたべものよういしてくれているなんて、ほんとうにゆっくりしているね!!」 「ゆゆう!! これからもよろしくたのみたいものだぜ!!」 なにやら勝手なことを言っている。 撮影しているこの場所は畑から三十メートルの地点に聳える崖の下側。 ふいよふいよと高度を下げつつ崖の上を飛んでくるうーぱっくは、見るからにゆっくりしていて、その魂胆さえなければそのまま空中散歩をさせてあげたいものだが――。 ――世の中、決して、ゆっくりを中心には廻らない。 「う……? う、うあっ!? う゛ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーあ゛ーーーーーーーーーーーーーーーーー!!!??」 最後尾を浮遊していたうーぱっくが、いきなり叫び始めた。前を行くうーぱっくと、それに乗っているれいむとまりさも後ろを気にかけた。 「どうしたんだぜ、うーぱっく!!」 「しずかにしないとにんげんがくるよ!!」 うーぱっくに乗ったまま振り向くふたつの饅頭。うーぱっく本体は急な方向転換を避けるため振り向きはしなかった。 だが。 「ゆうううううううううう!!??」 「どおしでもえでいるんだぜ!!??」 最後尾のうーぱっくの中からは、紅蓮の色をして踊り狂う炎。 段ボールで出来ているうーぱっくの最大の敵のひとつだ。 「ううううううううううううううううううううううううううううううううううううううううううう!!!??」 為す術無く見つめていると、れいむを乗せたうーぱっくの横を飛んでいた空のうーぱっくも叫びだし、間もなく煙と炎を出して燃え始めた。 「ゆううううう!! まりざあああ、あづいいいいいいい!!」 「ゆゆゆ!! うーぱっく、はやぐそいづからよけるんだぜえ!!」 完全にパニックに陥ったれいむに比べて冷静な対応を促すまりさ。やはりこちらの方が餡子の質がいいらしい。 しかし。 「う゛あ゛っっっ!!!」 ちゅどーん、という音を立て、先頭を飛んでいたうーぱっくが、突如として姿を消した。 そのすぐ後ろを飛んでいたまりさを乗せたうーぱっくは、爆風の直撃を受けてバランスを崩す。 目の前で仲間が燃やされている。この状況にあって、うーぱっくには傾いた体勢を立て直せるほどの余裕は無かった。 「まりざっっ!?」 「ゆううううううううううううう!!! れいぶうううううう、はやぐまりざをたずげるんだぜえええええええええ!!」 絶叫を残し、まりさはうーぱっくから落下。 運の悪いことに、ゆっくりたちの目指していた畑の手前には崖があり、その下は硬質の岩だらけ。時々この崖が崩れることがあるらしく、そのたびごとに出来る岩の塊だ。 「ばあああああありいいいいいいいいいざあああああああああああ!!」 「ゆううううううううううううううううううううう!!!!!」 まりさはその岩塊に向かって落ちてくる。 「ぼっどゆっぐりぢいいいいいいいやああああああああああっ!!」 ぶづぐじぃゃああ!! 得体の知れない擬音を残して、まりさはぺしゃんこになった。 《もっとゆっくりしたかった》 その言葉すら遺す事も出来なかった。 「ゆうううううっ、ゆうううううううっ!!!!!」 眼下に広がる岩場には、同心円を描くように餡子の海。それを真上から見ていたれいむは、ただ涙を流すのみ。 「うーーーあーーーーっ!!」 「うあっ、うあっ、うあっ!!」 れいむを乗せていたうーぱっくもブサイクな顔で泣いている。 だが、一番精神的衝撃が大きかったのは、まりさを乗せていたうーぱっくなのだろう。仕事も完了していないだけならまだ救い様がある。だが、乗せていたゆっくりを転落死させてしまうということは、うーぱっくの至上の汚点。その衝撃は計り知れない。 しかし、悪夢はまだ続く。 「……ゆ? !!???」 急に背中が熱くなったことに気づいたれいむ。だが、それに気づくのに、若干ゆっくりしすぎたようだ。 れいむの背後には火の玉がひとつ。 自分の野菜の取り分を多くしようと目論んで、大きなうーぱっくに乗り込んだのが、ここで裏目に出た。丁度のサイズのうーぱっくに乗り込んで、荷物運搬用として大柄なうーぱっくを使ったほうが効率も良かったはずなのだが、それすら解からないのは餡子脳が餡子脳たらしめている証だった。 「ううううううううううううあああああああああああああああ!!!!」 うーぱっくも自分の体が燃えていく痛みに耐えられるはずも無い。あっというまにれいむとうーぱっくは炎に包まれ、まりさの後を追った。 「うーーーーうーーーーーーーーー……」 唯一生き残った、生き残ってしまったうーぱっくは茫然自失。仲間をすべて失い、乗せていたゆっくりも殺してしまった。 完全なる無表情でふらふらと高度を下げ、畑の手前に墜落するように着陸した。 「うー、うー……」 さめざめと涙を流すが、こいつも頭がよろしくない。元をたどればれみりゃ種であるから無理は無いのだが。 「うあっ!!」 近くの繁みには虐待おにいさんが潜んでいることを、うーぱっくは知らなかった。 身動きも、絶叫も残せぬままに、最後のうーぱっくは虐待おにいさんの両腕に引き裂かれた。 ○ 「えれえれえれえれえれえれえれえええれえれえれれれれれれれれれれれれれれれ」 「ちょっと、ぱちゅりー!! なにはいてるの!? しっかりしなさいよ!!」 ホラ。やっぱり即死した。 だから、面白みが無いというのだ。標準カメラの撮影動画で死なれたら、折角のSSCが役に立たないではないか。 それにしても、このありすは精神的に強いのか、上映が終わるとすぐさまぱちゅりーの心配を始めた。セクシャルマシンはそういうものなのだろうか。噂に聞けば、ありす種もぱちゅりー種に及ばないものの中身の質がいいらしいので、この反応にもある程度納得がいく。 他のゆっくりの様子はと言えば、今日連れてきたれいむとまりさは相当なダメージを受けたようで、ゆっゆっと呟いているだけだ。 昨日から居るゆっくりは幾分慣れたようで、呆然と何かを呟くような状態まではいっていない。ただ、見方を変えれば、現実逃避をしているようにも見て取れる。どちらでも大差はない。皆さんが思ったほうで構わないし、俺はとくにその考えに固執しない。所詮、小事の前の大事である。 さて、今日のテーマはもうお分かりのように《うーぱっく盗賊団の抹殺》だった。 実のところ、今回のターゲットがうーぱっくたちになったのには、結構大きな理由が在る。 撮影を手伝ってくれた虐待おにいさんは、その正確をカモフラージュするために、ゆっくり処理を副業としていた。今回おにいさんは、ビデオに出てきた畑の主である集落の長をゆっくり盗賊団から守るという役を拝命していた。それを耳に入れた私が、撮影の許可を得て、今回のビデオが完成したという筋書きだった。 おにいさんも、自分の武勇伝となる記録映画ができたし、集落の長も畑も守ることが出来た。とりあえず、ゆっくりを除外して、皆が利益を得たというわけだ。 どういった手段がとられたかは何となくわかるだろうが、ここでひとつ説明を挟みたい。 まず、うーぱっくの隊列で最後尾を飛んでいた段ボールの中に、火の点いたマッチ棒を投げ込む。これは木の上に潜んでいた犬走椛ちゃんがやってくれた。何でも、今回の撮影で文ちゃんに依頼したときに、文ちゃんが半ば無理やり引き摺ってきたのだ。ちょっと申し訳なく思っている。 最後尾のうーぱっくが墜落を開始したところで、れいむの乗っているのに直近を飛行するうーぱっくを攻撃する。これは、絶望感を煽ってパニック状態に引きずり込むための戦法だ。 案の定れいむが混乱状態になったところで、今度は先頭のうーぱっくに小型合成樹脂爆弾を放り込む。薬剤の調合などは自前だ。 本当なら、注意を逸らされたこのタイミングでまりさを攻撃する手筈だった。だが、先頭のうーぱっくにやたらと近いところを飛んでいたまりさのうーぱっくは、この爆風を直接的に受けてしまった。どうやらまりさは、れいむのみ被攻撃対象とし、自分はさっさと逃げようとしていたらしい。此処に来て、その根性の腐り具合が裏目に出たと言うことだ。 爆風を受けたうーぱっくはバランスを崩し、完全に横倒し体勢になった。まりさはその(ゆっくりたちのレベルで考えて)急な動きを堪えることができず、運悪く真下に控えていた岩の塊(しかも都合よく一番尖ったところ)に落下し、その身体を砕いた。 絶望感に包まれたれいむが乗るうーぱっくには、上空を飛んでいた文ちゃんから火の点いた藁の球体が投げ込まれ、あっというまに火の車。 唯一生き残ったうーぱっくは、予定通りに、虐待おにいさんが破り捨てた。 以上だ。 うーぱっくというゆっくりについて、恥ずかしながら、私はこのビデオ撮影のときが初顔合わせだった。 素材としては段ボール箱に羽と顔がついて、ゆっくりれみりゃのように頭のよろしくない種類だということを知識としていた程度で、実際どのようなものなのかという点では心許無かった。 その弱点を補うべく、この撮影には文ちゃんに協力をお願いした。 彼女もゆっくりを追跡する記事をいくつか書いていたらしく、あっさりと乗ってくれたので交渉はきわめてスムーズであった。 なお、空撮もお願いできたので、今回SSCを持ったのは他ならぬ文ちゃんである。 ブンヤの血が騒ぐのか、SSCの操作法を口頭教授しただけで完璧に使いこなしたのには驚いたが、そのおかげで決定的瞬間を間近で撮影することができた。 虐待部屋は予想通りの大騒ぎだった。 とくに部屋の中に居るまりさ、全四つが、揃いに揃って喚いている。もしかしたら、このまりさたちもうーぱっく強盗団の一味なのかもしれない。別な考え方をすれば、まりさたちの属するゆっくり集団がうーぱっくと仲が良いのかもしれない。 最も、そんなことは関係ない。 今から、もっと恐ろしい瞬間を目の当たりにするのだ。 虐待部屋の餡子の処理が大変になればなるほど、ビデオが高評価を受けたということだから。 ○ 「ゆゆっ!?」 「わかるよー、でもわかりたくないよー!!」 「ぼうやべでえええええ!!」 怒号の飛び交う虐待部屋では、加工後の映像とSSCで撮影された映像が映し出されようとしている。 前回と同じく急激に画像が初期状態に戻されたのを見て、昨日から居るゆっくりにはこれから何が起こるのか理解が出来ているようだ。優秀なのは、このあたりで助かる。 今日から入ったゆっくりも、この発言を受けて恐ろしいことが始まるということが分かったようだ。ゆっくり同士で助け合い(ゆっくりからすれば首の絞め合いだろうか。首なんか無いけど)をしてくれるのは好ましいことだ。 ビデオの映像は、静止画面。うーぱっく五個とれいむ、まりさが、これから自分の身に降りかかる悲劇など知らぬように(実際知らなかったが)楽しそうな遊覧を続けていた。 テレビの静止画像というのは、意外にも不安を煽るものだ。通常動いている映像が映るという先入観のようなものを持っている場合、よからぬことが起こっている、もしくは起こってしまうような気がするのだ。 どうやらこのゆっくりたちも、そんな先入観を既に持ってしまったようだ。余計な先入観は視野を狭めるというが、まさか饅頭の世界にも起こり得るとは思わなかった。 数秒間の沈黙の後、画像がゆっくりと動き始める。今回の映像は、スロー音声も重ねておいた。標準カメラで取った映像にしか対応していないのでまだ面白みに欠けるが、いくらかよいだろう。一回目の教訓を受けて、この映像を撮ったときは椛ちゃんにガンマイクを持たせていたのだ。 壊れたカセットプレイヤーから出る声は気持ち悪い。今虐待部屋には、そんなゆっくりたちのきわめてゆっくりとした会話がかかっている。 「ほぉんとだぁねぇぇぇ、むぁりぃさぁ!! にぃんげぇんたぁちぃはぁ、れぇいいむぅたぁちぃのぉたぁめぇにぃたぁべぇもぉのぉよぉうぅいぃしぃてぇくぅれぇてぇいぃるぅなぁんてぇ、ほぉぉんとぉうにぃゆぅっっくぅりぃしぃてぇいぃるぅねぇ!!」 「ぃゆぅゆぅうぅぅ!! こぉれぇかぁらぁもぉぉ、よぉろぉしぃくぅたぁのぉみぃたぁいぃもぉのぉだぁぜぇぇ!!」 いい加減、これはうざったい。 だが、ゆっくりたちの恐怖心を煽るには充分らしい。先ほども見た画像で、これから何が起こるかなんて、あのインパクトの所為で餡子脳でもメモライズできている。早く終わって欲しい画像なのに中々始まらないのは、生殺しに近い。 そして、ついに、恐怖の時間がやってきた。 「う……?」 身体の中から、 不意なる暑さ。 経験し得ない、 おかしな熱さ。 「う、うあっ!?」 自分で見るのは、 出来ないけれど、 見なくてもわかる、 この熱さ。 「う゛ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーあ゛ーーーーーーーーーーーーーーーーー!!!??」 身体の中から、 広がる熱さ、 気づいたときには、 身体は明るく、 火の玉のように なっていた。 「どうしたんだぜ、うーぱっく!!」 「しずかにしないとにんげんがくるよ!!」 急に叫んだ うーぱっく。 こういう行動、 困るんだ。 振り向き見たのは、 悲劇の序章。 「ゆうううううううううう!!??」 「どおしでもえでいるんだぜ!!??」 知らなければ良かった。 でも、知らずにはいられない。 一番子供のうーぱっく、 火の玉になって消えてった。 「ううううううううううううううううううううううううううううううううううううううううううう!!!??」 「ゆううううう!! まりざあああ、あづいいいいいいい!!」 「ゆゆゆ!! うーぱっく、はやぐそいづからよけるんだぜえ!!」 れいむの横の うーぱっく。 今度はこの子が、 叫びだす。 さっきと同じく、 身体が燃える。 悲劇はまだまだ、 終わらない。 「う゛あ゛っっっ!!!」 一体何が、 起こったの。 先頭飛んでた うーぱっく、 最初っから、最期まで、 何がどうだか知らぬまま。 身体は空気の 塵になる。 「まりざっっ!?」 「ゆううううううううううううう!!! れいぶうううううう、はやぐまりざをたずげるんだぜえええええええええ!!」 油断したのが、 不味かった。 急に倒れた、 うーぱっく。 いきなり横に、 なるものだから、 ゆっくり反応、 できないよ。 「ばあああああありいいいいいいいいいざあああああああああああ!!」 「ゆううううううううううううううううううううう!!!!!」 まりさは、お空を 飛んでいる。 最初は、箱の 力を借りて、 今度は、自分の 力だけ。 だけど、ホントは、 お空を飛べない。 まりさは、お空を、 飛べないぜ。 「ぼっどゆっぐりぢいいいいいいいやああああああああああっ!!」 ぶづぐじぃゃああ!! 「ゆうううううっ、ゆうううううううっ!!!!!」 「うーーーあーーーーっ!!」 「うあっ、うあっ、うあっ!!」 仲間がみるみる 減ってゆく。 流れる涙は、 増えてゆく。 悲劇はますます、 加速する。 「……ゆ? !!???」 「ううううううううううううあああああああああああああああ!!!!」 またも燃えてく うーぱっく。 今度はれいむも 道連れだ。 「うーーーーうーーーーーーーーー……」 最期に残った うーぱっく。 最早、生きてる 仲間も居ない。 「うあっ!!」 もう、これ以上は無いはずだ。 こんな悲劇は、無いはずだ。 そう思っていたれど、 ゆっくり中心の世界は、無い。 To be continued...? あとがき。 何となく。SSCで撮影したら、こんなのも面白いかなと思って、燃やしてみました。 今度は、れみりゃを被写体に、おにいさんは大暴れする……、かもしれませんよ。 ○過去作品リスト(ゆっくりいじめのみ) 拳の歳末 (fuku1905.txt,fuku1908.txt) SSCシリーズ 第一弾『握りつぶす』(fuku2196.txt) その他、幻想郷キャラいじめを数作品(春巻リリーホワイト、人参と胡瓜の悲劇、放置プレイ、陰の薄い秋姉妹いじめ) このSSに感想を付ける
https://w.atwiki.jp/yukkuri_gyakutau2/pages/368.html
まえがきという名の弁解 ゆっくりを全然いじめてない上につまらないです 後半と前半でテンションがまるで違います ゆっくりらしい台詞はほとんど出てきません 一応ドスものです それでも構わんという心の広い人だけ読んでね 見ただけで気が触れそうな満月の夜。 人も近づかない、近づけないような森の奥深くを、ゆっくりと丸い巨体が進んでいく。 そのまん丸い巨体の頭頂部にのった巨大な黒いとんがり帽子。 ドスまりさだ。 しかし彼女はどうやら普通のドスとは様子が違った。まず髪に信頼の証の飾りがなく、 いつでも楽しそうなゆっくりと違い、一言も喋らず、やや物憂げな顔で歩みを進めている。 帽子の中にいくばくかの必需品はあるが、他のゆっくりなど一匹も入っていない。 このドスは他のゆっくりから信頼されていないのか? いや、違う。どのドスよりもこのドスは信頼されていたし、このドスもそれを自覚していた。 だからこそ、権威をふりかざすような真似に必要性を見出せず、飾りをつけようとするゆっくりをやんわりと断っていた。 帽子の中に他のゆっくりを格納しないのも、他のみんなに自分に守られるだけの存在になってほしくなかったからだ。 このドスはかなりの過酷な経験をしてきた。普通のゆっくりの時も、壮絶な生を生き抜き、ドスになれた。 ドスになり、群れを作った。その頃は飾りもつけ、帽子の中にゆっくりを入れて運んだり、遊んでやり、普通の標準的なドスだった。 いつまでも群れの幸せが続くと思っていた。しかし、それは間違いで。 やはり標準的なドスの群れのように、群れはゆっくり崩壊に近づき、やがて自分だけが生き残る。 生き残り、また群れを作った。また崩壊させた。 ある時は人間に騙され、ある時は反乱勢力が台頭し、ある時は自分たちを捕食するものに襲われ、ある時は… そうした繰り返しの中、幾度も守るべきものを奪われ、それでも崩壊しそうな理性をつなぎ留め、歯を食いしばり、目から餡子を流しながらこのドスは生きてきた。 そうしてようやく気づいた、自分がゆっくりを守るだけでは駄目なのだと。 己を己が守れるようにしてやり、自分はそれを精いっぱい手助けする。それこそが崩壊を防ぎ、群れを長続きさせる最善なのだ。 強烈な一つの個ではなく、小さな個を集めて強大な一つとする。それがこのドスのたどり着いた結論。 そのための群れの掟や、制度、システムを、実験を繰り返しながら練り上げた。 その途中で、人間という存在は自分たちと切り離された。彼らとは、出来るだけ関わらない方がいい。 そして、人間も滅多に入り込まぬ森に居住区を移した。 リスクはあった。外敵の存在、人すらあまり手をつけない自然環境。 しかし、それは普通のゆっくりに限った話。このドスになら、人間を含む、大抵の外敵は相手にならなかったし。 多少の危険な場所も、乗り越えていく強靭さがあった。 そしてその場所の下見を存分に終え、普通のゆっくり視点での対処法や生活方法を編み出し。 それを根気よく教育した。教育し、そして多少の手助けはするものの、決して全面的に支援することはなかった。 巣はあくまで自分たちで個別に作らせた。ドスを中心とした一つの巣は、ドスに対する甘えを呼ぶ。 そして自分たちで開拓させることにより、自分たちはこの環境に勝てるという意識を植え付ける。 普通のゆっくりでは無理だろうと思えるようなことだけは手伝ったが、他の事は一切手伝わなかった、指示も出さなかった。 それは普通のゆっくりなら、群れのボスとしての仕事を放棄した怠慢だと思ったかもしれない。 事実そう思ったゆっくりもおり、公然とドスを批判する者もあった。 「ドスはなんでまりさたちをてつだってくれないんだぜ!?みんなでたすけあってこそのむれだぜ!」 だがドスはそんな意見には取り合わず 「不満があるなら出て行っていいよ、ここよりゆっくり出来ると思うところがあるなら」 その言葉に憤慨し、出て行ったゆっくりも少なくない。だがドスは気にしなかった、残ってくれたものがいるのだ。 しかし、中には多くのゆっくりを言葉巧みに扇動し、少しでも大きな群れにして出ていこうとするものもいた。 そういうゆっくりだけは、秘密裏にドスは殺した。 普通のドスは群れのゆっくり、いやすべてのゆっくりの命に対して強い執着と保護心を持つものである。 まれにドゲスという命をなんとも思わないものもいる。 しかしこのドスは、あまりに多くの死に触れたため、すでにこのどちらでもない精神をもっていた。 自分はこの弱きもの達の圧倒的上位にいるのだから、管理せねばならない。 それは、動物の生息地をなるべく自然の状態で保護する研究者や、植物などを植え育て、森などを作る人間のようなそれであった。 管理者。そう、自分は群れのリーダーではない、管理者だ。 群れを崩壊に導きそうな悪い芽は潰す。そこには命を奪う快感も、罪悪感も、後悔も、何もなかった。 慈悲もなく、許容もない。 次に食べられる植物や生物などの教育を終え、ある程度生活環境が整い始めたら、外敵に対する対処を教え始めた。 いや、それは教えなどではなく、訓練であった。 狩りに出向ける個体に、ゆっくりでも協力すれば倒せる外敵に対しての戦闘方法を訓練させた。 チームワークを教え、何度も仮想敵に対する訓練を行う。 そのハードすぎる訓練に、脱落するゆっくりも少なくなかった。 その中で、本当についていけなかったものは訓練をやめさせ、別の仕事につかせることにした。 そういうゆっくりは元来こういう仕事に向いていないものなのだ。なので、子守や安全な地域の植物採取などを行わせる。 中には、ダルイ、ゆっくりできないなどの理由で訓練を放棄するものもいた。 その中で本当に疲れたふりをして訓練を抜けようとするやつは、戻らせて徹底的にしごいた後に、他の狩りゆっくりに命令を下す指揮官の教育を施す。 単純にゆっくりできないから反抗しているものは、大半は軽めの体罰をつけて戻らせた。 中にはそれに対してすら徹底的に反抗するものもおり、そういうものは群れから出てもらった。 ここでの振り分けはこうだった。まず普通に訓練を続けるゆっくり、こいつらは特に問題もない普通の狩りゆっくりになるだろう。 次に騙してサボろうとするゆっくり、こいつらは多少知恵の回る奴らだということで、生き残るためなら存分に知恵をしぼりだすだろう。 次に反抗するゆっくり、体罰を受けて戻るなら、それは自分本位ながらも多少の状況は判断できるということだ、どうにもならない状況なら自分のためにがむしゃらに生き残ろうとするだろう。 そして最後まで反抗したゆっくり、そこまで嫌ならこいつらの性根はそれまでである、頭も回らず自分の嫌なことにただ拒否するだけ。こういうのは危険にあっても状況がわからず、みじめに叫んで死ぬだけだ。 そうしてゆっくりをふるい分け、最終的な訓練卒業として外敵との実戦に移ってもらう。ある数の部隊にわけ、一つずつこれを行った。 この時、ドスは後ろでその光景を眺めていた。 戦闘が始まり、ある部隊は快勝を続けた。ある部隊は窮地におちいる。その中で、自分たちで奮起し、何とか勝利をおさめる部隊もあった。ある部隊は後ろで見ているドスに助けを求めた。 だがドスはどれだけ助けを請われようと、どれだけ惨たらしく群れの仲間が目の前で殺されようと、決して手を出さなかった。 ある部隊はドスが絶対に自分を助けてくれないだろうことに途中で気づき、絶望的ながら辛くも勝利をおさめた。ある部隊は最後までドスに助けを求めながら全滅した。 実戦が終わると、ドスは部隊の成績によって役割を与えた。前線で狩りをする部隊、狩りをしながらその部隊を護衛する部隊、居住区に残り守る部隊。 それはあたかも人間の軍隊のようであった。 中には教育や訓練をドスが任せるゆっくりもいた。いつまでも自分がやるわけにはいかないのだ。 そうして狩りの教育を終え、食糧が潤沢になってきたところで、食糧制度に手をつけた。 本来ゆっくりは冬以外に食べ物をため込むことはない、取ったら取っただけ、食べられるだけ食べる。 そして普通のドスの群れはそういう事態を憂い、食糧を一か所に集め、管理し、食べない分を非常用として保管する。 だが、それが一部のゆっくりの不満や懐疑を招き、結局反発され、群れが崩壊した例も少なくない。 では、どうするか。ドスはこれに大いに悩んだ、何せ食糧管理は反発を招く恐れもあるが、食料供給の安定した維持にこれ以上の手段はない。 そこでドスは食糧管理の仕事をわけることした。 つまり、食糧を集めるゆっくり達、集められた食糧の量を管理するゆっくり達、その食料の量を聞き分配するゆっくり達。 これによって相互をある種の緊張状態にし、互いに監視させ、一部の独走を阻止しようとしたのだ。 すなわち、食糧調達部隊は、その食料を献上しなければ、食糧管理部隊にすぐさま疑われる。 次に食糧管理部隊は、その食料を正確に管理しなければ、分配部隊に疑われる。 そして分配部隊は、それを正確に分配しなければ、たちまち分配される皆から疑われる。 多少の歪みは出るかもしれないが、致命的な崩壊には繋がりにくいとして、ドスはこの方法を選んだ。 そして、管理、分配の仕事はなるべく頭の良く、公平性があって信頼されているゆっくりでなければならない。 故にこの仕事につくゆっくりを、ドスは皆の推薦による選出と投票で選ぶことにし、もし選ばれたゆっくりに不満があるならば、一定数の投票で辞めさせられることにした。 そしてさらに、一定のサイクルで浄化するために、ある期限ごとに管理分配の仕事につくゆっくりを全員一旦やめさせ、もう一度選びなおす制度も導入した。 それはゆっくりによって形成された、未熟な政治制度のようなものであった。 ドスはゆっくりと色んな制度を導入し、根気よく教え込んだ。 そしてドスの手を借りずにそれが運営されていくようになると、後は全てを任せて手を引いた。 群れの運営がスムーズになり始めてから、遠くの地からドスが直接頼み込み、ゆうかりんを連れてきて農耕制度を作った。 さらに月日が流れ、世代交代にさしかかる頃には、教育制度を狩りの教育や、管理分配の教育、農耕の教育などにわけ、色んな仕事を選べるようにした。 すでに自分の手をほぼ離れて歩いて行く群れをゆっくり眺めながら、ドスは満足していた。 ようやく、自分の理想郷を作ることが出来た、と。ゆっくりがゆっくり暮らしていける理想郷を……。 そこはまさにゆっくり郷とも呼べるものであった。 だが最後に一つだけ、ドスは群れの中で自分だけが行う仕事を持っていた。 すなわち、罪を犯したゆっくりに対する、裁きと罰の執行を……。 夜の下を行くドスが、ある巣の前で止まった。 目的地だ。 その巣の中から、悲鳴のような声と耳が腐るような嬌声が聞こえてきている。 ドスがため息をつく、が、それには何の感情もこめられていなかった。 そしてゆっくりと、気づかれないように中を覗き込んだ。 中には一匹のゆっくりまりさとゆっくりアリス、そしてゆっくりれいむの親子がいた。 だがれいむ親子の様子はおかしい、親と比較的大きいれいむは動けないように痛めつけられ。 まだ交尾に耐えられないと思われる小さなれいむは、アリスによる一方的な性的暴行を受けていた。 「いやあああああああやめじぇええええええいじゃいよおおおお!!!」 「はぁっ!はぁっ!いやぁぁぁぁんかわいいいぃぃやっぱり犯すならちっちゃいゆっくりだわぁぁぁ!!」 親や他のれいむは涙を流しながら「やめてぇ…」「こどもだけはたすけて…」などと弱々しい声で呻いている。 「ゆっへへへ、やっぱりアリスのこうびをつまみにたべるのはさいこうだぜ!!」 そしてまりさはその隙に巣にあった食料をむーしゃむーしゃと食べていた。 押し込み強盗である。 実はこの二匹、最近この郷では有名な犯罪ゆっくりであり、すでに二件の被害報告が届けられている。 どの一家も無残に惨殺され、巣を荒らされていた。 さっき言ったように、ドスはゆっくりに対する裁きを行ってはいたが、それは普通のゆっくりには手に負えないと思われるものだけであった。 このドスの郷には、警察のような役割をもつゆっくりも、裁判もちゃんと存在する。 だがそれでは立ち行かないものがある……。法の手をすり抜け、悪事を続けるゆっくりは後を絶たなかった。 そんなゆっくりを、ドスは心底憎んだ。自分の作ったこの郷を、荒らすものだけは絶対に許さなかった。 ギリギリまで事件解決を見守っていたが、一向にゆっくり郷の警察ゆっくりでは犯人が捕まりそうな様子はない。 長く生きた知恵か、この二匹が次にどこで犯行をするかを予測したドスは、自分だけで制裁を加えるために動いた。 ドスは中の様子を確認した後、そこに向かって「出て来い」とだけ、ただ一言だけ言った。 それだけで十分だった。 色の変わらない体表が本当に青くなるんじゃないかというような顔をして出てきた二匹は、 ドスにすがりつき、必死に言い訳を始め、媚びへつらった。 「ゆるしてほしいんだぜ!まりさたちのいえにはたべものがたりなかったんだぜ!」 「そうなのよ!ついでにすっきりできるゆっくりもたりなかったわ!」 「ゆっ!これはきっとかんりふやぶんぱいふのやつらがわるいんだぜ!」 「そうよ!そうよ!それにどすといえどもむれのゆっくりをころしたりはしないわよね?」 「そうだぜまりさたちはなかまのはずだぜ!ゆるすべきなんだぜ!」 それは聴くに堪えない理屈だったが、ドスはしゃべり終えるまでじっと押し黙ったままであった。 そして何の反応も返さないドスに二人が不思議がっていると、ドスがようやく口を開いた。 「死ね」 そのまま開いた口から溢れる光が、二匹の見た最後の光景だった。 その二匹だけを焼き尽くすために威力を調節したドスパークの照射が終わると、ドスは巣の中に話しかけた。 「大丈夫、れいむ?動ける?」 「ゆぅ…なんとかうごけるよ…」 弱々しいながらも返事が返ってきて、しばらくしてから親れいむの三匹の子供がよろよろと這い出てきた。 「今から病院の方に行って、治療を受けるといいよ。まだ開けとくように言っておいたし、警察もそこに待機させてあるから、事情を説明して」 ドスがそう言うと、口の中に弱った子供を入れているのか、親れいむ達はうなずいてずりずりと這って行った。 れいむ達が行ってから、ドスは大きくため息をついた。 あきれしか出てこない。悪事を犯して、悪びれもせず許しを乞うあの二人。 驚くことにあれが普通のゆっくりなのだ。 わかっている、この郷のゆっくりは、もはや普通ではない。 人間のまねごとのようなものだが、決まり事を順守して生活を営むなど、昔では考えられなかった。 いや、今でも普通のゆっくりには考えられないだろう……。 何で自分たちはこうなんだ。なぜゆっくりは……。 知らず、月を眺める。 最近月を眺めていると、なんだか体の底から力が湧いてくるのだ。 これを活力にして、明日からも頑張ろう。 そう思っていた矢先である。 「はぁい」 それは、何もない空間を割いて、ぬるりと現れた。 妖しく光る髪と、鮮やかな紫の衣装艶めかしく。 「こんばんわ」 絡みつくような声を発し、出てきた裂け目に腰かけていた。 ドスは一瞬で敵だと判断した、それも自分でしか対応できないような。 「あんた誰だ?」 警戒しか含まない問いに、女は目をにこやかに細めると、 「やだ怖い」 口も吊り上げ、 「怖いから」 細めた目を開いて、 「私も怖くなっちゃおうかしら」 その場の何もかもが一変する。 肌を刺した空気で、一瞬で支配された場の雰囲気で、勝てない相手だとわかった。 ドスはため息をついた。このような相手がいつか来ることは、前々から何となくわかっていた。 自分が作った郷は、異常だ。考えの回るこのドスの目は、他の視点から自分達を見ることもできた。 こんなものは、人間からしたら恐怖でしかない。 わかっていた、でもやらずにはおれなかった。なぜ人間に許されることが、ゆっくりには許されないのか。 だから、それでも。 「ここを……潰しにきた?」 ほぼ諦観と、疑問を少しだけ含ませて問う。 人間の上位の存在、人を守るもの、調停者。この郷に対する自分のようなものが人間にも存在すること、それは容易に想像できる。 それが目の前のこの女なのだろう。 女は少しだけ意外そうな顔をすると、すぐに首を横にふった。 「まさか」 そして片手に持った扇子で口を隠し、 「でも、予想以上。そんな考えもできるのね」 そこから出る感情を見せないように呟いた。 「なら何を?」 今度は疑問だけで問うと、 「話をしに」 そう言って、今度は優しく微笑んだ。少し、安心できる笑顔だった。 女は隙間から地面に降り立つと、ドスと向かい合うように座り込む。 「そうね、じゃあまず最初、あなたはゆっくりって何だと思う?」 ようやく話し合いの場が整って、女は最初にそう問うた。 「……」 ドスは難しいと感じた。自分の存在は何だと問われているのだ、何と答えるか……。 「まぁ、難しいわよね。逆の立場なら私も言葉を濁す……一般的な定義を私が言いますわ」 女は返答を待たずつらつらと、 「そうね、饅頭の体を持ち、人語を操り、畑や民家を荒らす頭の悪い汚い野生生物……これが一般的なゆっくり」 挑発するようなその物言いだが、ドスは何も言い返さなかった。 「あら、怒らないのね」 「大方その通りではあるよ」 そう、と女は呟き、 「でも、それは悪いことではないわ。むしろ野生生物の本懐。これより傲慢で、危険で、自分本位な生き物はたくさんいるわ。人間だってそう」 そして、 「普通のゆっくりなら、先の発言には醜く憤慨すべき。それがゆっくりの在り方」 ドスは驚いて女を見つめた。この女は人間に嫌われるゆっくりの性質を何と言った? 「そう在るべきと言いました。多少の程度はあれど、ゆっくりがゆっくりらしく生きること、それこそがゆっくりの在るべき理由」 謳うように続ける、 「憎まれることも、慈しまれることも、虐められることも、世話されることも、全てがこの世界におけるゆっくりの在り方」 理解できない、いや、理解したくない。この女が真顔で今述べていること、それは。 「じゃあ、いつもどこかで繰り返されている、ゆっくりの悲劇……その全てが」 「そう、ゆっくりの生きる理由」 そのためにゆっくりは生きている。 「人間の……ために……」 女はふう、と息をつくと、 「ゆっくりの理由……ここまではいいかしら?」 衝撃から、ドスはまだ立ち直れなかった。 自分たちは言うなれば、人間のおもちゃとして生まれてきたのだ。それが自分たちの本来の在り方なのだと。 「あなた達はおよそ自然環境のどの役割も担っていないのですもの、そうとしか言えないわ……まぁ、これ以上ゆっくりについて議論する気はございません」 女はまだ話を続ける、 「そして次、次はあなた。あなたは果たして……」 あなたは、ゆっくり? 「!?」 問われた。自分はゆっくりか?当然だ、でなければ自分はなんなんだ。 「当たり前だ!」 声が荒れる。 「……あなた、自分を何て呼ぶ?」 女は少し息をついて、 「私……」 「その呼び方はいつから?なぜ?」 「いつからかは覚えていない。何故かは……この方が、らしいと思った」 「普通のゆっくりは、絶対に自分をそんな呼び方はしない」 心にザクリと矢が撃たれた、 「普通のゆっくりは、そんな言葉づかいもしない」 二発目。 「あなた、ゆっくり出来てる?」 「出来てるよ。毎日、郷の管理で、みんなの生活を見守るのが私のゆっくりだ」 「それはゆっくりじゃないわね」 「違う!それが……!」 「他人のための行為はゆっくりではない、ゆっくりの価値観に照らし合わせるならね」 三発目。 「御希望なら、この他にも理由を計上してあげましょうか?子供でも指摘できるものがまだまだあるわ」 荒々しく首を振った。三発。たった三発で、ドスの脳は理解した。 「……私を否定して、何が楽しいの?」 問いは、悲しみと怒り。 「……そうねぇ。あなたはゆっくりの在り方を外れている、ここまではいい?じゃあ次は、人間とゆっくり以外のもう一つの種族の話」 答えず、女は話を進める。 「妖怪の話」 「あなたは妖怪を知ってる?」 「……とても強い生き物。ゆっくりよりも、人間よりも」 投げやり気味にドスは答えた。 「正解。じゃあ、妖怪の種類。そこまではあなたも知らないわよね」 「……?」 女は師が生徒に教えを説くように話し始めた。 「まず、私は妖怪。わかるわね?」 「へぇ……」 ここに来て初めて女の正体が明かされたが、別段驚かなかった。 「私は同族もない、どうやって生まれたかも秘密のワンオフ妖怪よ。こういうのはそれほど数もいないの、さびしいわ」 女は泣き真似の仕草をしたが、ドスは冷やかな視線でそれを見ていた。 「いやん、ツッコミが欲しかったのに……まぁ、気を取り直して次」 女は小芝居をやめると話を再開する。 「次はメジャーな種族に属する妖怪。鬼、天狗、河童、吸血鬼……こういうのは結構な同族がいて、蛮行が広く知られているからカテゴライズされている」 「名前だけは何となく聞いたことあるよ。湖の館……妖怪の山……」 「大正解。ゆっくりにまで知れ渡っているなんて、中々……いや、あなただけでしょうねきっと」 「?」 「なんでもないわ、続けましょ」 女はコホンと小さな咳をすると、 「次は妖獣、これは強大な力を持った獣が、それ故にその生き物の枠を離れて妖怪になってしまったもの」 「動物が?」 「私の式達もこれね、竹林の兎達もそう。これが幻想郷には中々多い……自然が残ったままだからかしら」 ここで女は教鞭を振るう笑顔から、真顔に戻った。 「そう、人間を超える力を持って、その生物の寿命を超えた長い時間を生き、ついにはその定義から弾かれる……」 ドスも気づいた。いや、それはかつて、ドスだったもの。 「まるであなたのことね」 「違う……」 否定する声は、聞き取りがたいくらいにか細い。 「あなたはもう普通の人間より遥かに強いわね」 「違う……」 「あなたは今で何年生きた?普通のゆっくりの寿命は平均五年、巨大種なら十年ってとこかしら」 女は辺りを見回し、 「この郷、ここまでするのに少なくとも十年以上はいるわよね」 「違う……」 「定義から外れる、これはさっき散々説明したから言うまでもないわね」 「違う!!」 違う、違う。私は、私は…… 「あなたは、妖怪よ」 「正確にはゆっくりと妖怪の境界線……その上に今のあなたはいるわ」 その言葉に、うつむいていたドスは少しだけ期待をこめて見上げた。 「でも、その境界がゆっくりに傾くことは決してない」 絶望を、女は吐く。 「これからあなたは、ゆっくりと妖怪になっていく……いや、今でも弱い妖怪程度ならいい勝負をするでしょうね」 「……」 妖怪は応えなかった。もう何も応える気もなかった。 「ゆっくりが、この幻想郷に誕生してもう何年経ったのかしら……そろそろだとは思っていたけれど、私が見つけたのはあなたが初めてよ」 女は、満月の空を見上げ、 「永琳に改造されたわけでもなく、自然に生まれ、自然に生きてきたあなた。ここまでの生、私は敬意を表します」 そして、再びその妖怪へ視線を向けると、 「そして、幻想郷はあなたを受け入れます」 「……そう」 妖怪も女を見つめ、ただそれだけを呟いた。 女が軽く扇子を振ると、空間の隙間は再び開いた。ゆったりと浮き上がりその中に下半身を入れる。 「では、ごきげんよう。これからあなたがどんな選択をして、どう生きるのか。少しだけ楽しみにしてますわ」 上半身だけを出してそう言った後、女は隙間に消え、何事もなかったかのように閉じて元に戻った。 後には月を見つめる妖怪だけが残された。 それから、ゆっくりの郷からドスは姿を消した。 ゆっくり達は思った、ドスがついにすべてを自分たちに任せてくれたのだ、と。 ドスが、自分たちで何かが成せるようになると、必ず身を引いたのをゆっくり達は世代が代わっても覚えていた。 その郷の歴史に、偉大なるドスの名が刻まれ。 後にはゆっくりと続いていくだろう、理想郷だけが残された。 あとがきという名の言い訳 今回はゆっくりいじめ作品としては駄作極まりないと思われる本作を読んでいただきありがとうございます。 ゆっくりいじめに憧れていました。色んな作品を読み、深く感銘を受けました。 自分もこんな作品を書いてみたい、彼の憎き饅頭を虐め抜きたい、そう強く願い、ようやく実行に移った次第ではありますが 出来上がったのはこんなものでした。皆さんのような、加虐心に油をドンドコ注ぐゆっくり語や、醜い物言い、くさった饅頭心。 何もかも自分の実力では描けない、難しいものでした。才能のなさが恥ずかしいです。修行の足りなさを実感しました。 まあ自虐はこれまでにして、本編の補足です。 今回のゆっくりの生活制度はまったく人間のそれのパクリです、そして世界はこんなに簡単ではありません。多分。 本当はドスに反発して「ゆ゙っぐり゙でぎな゙い゙い゙い゙い゙!!」と叫ぶゆっくりの描写をふんだんに取り入れてみたかったのですが、どうにも力不足でした。 後半の会話にいたっては雰囲気がまったく前半と違ってしまい申し訳ないです。これではただの東方SSです。本当に(ry それにしても、ドスはこれほどまでにならなくても、人間を殺せる時点で十分妖怪だと僕は思いました。 最後に、こんな作品とやたら長い言い訳を最後まで読んでくれた方にもう一度お礼を。また修行して今度は上手く書けるように目指したいです。それでは。 このSSに感想を付ける
https://w.atwiki.jp/yukkuri_gyakutau2/pages/1044.html
ゆっくり改造論1 虐待薄めかも知れないです。 私は加工場の研究班に所属する主任研究員だ。今日も新商品開発のため研究を重ねている。 そんな日々を送っていると、新人の研究員が面白いことを言っていたのを思い出した。 「異なるゆっくり同士を合体させたらどうなるんでしょうかね?」 最初はそんな実験は虐待鬼意山に任せればいいと思っていたが、新商品のネタに困っていた私はその実験をしてみることにしたのだ。 用意したのは、ゆれいむ,ゆまりさ,ゆアリス,ゆちゅりー,ゆさくや,ゆっくりゃ,ゆフランの七種類である。 「「「「「「「ゆっくりできないおじさんたちは、ゆっくり死ね!!」」」」」」」 はは、威勢だけはいいじゃないかw実験体は元気が一番だな。 これから地獄が始まるし、いじめがいがあるぜ!!! まずは、捕食種の改造をするか。 「うーうー!れみりゃにぷっでぃんたべさせてくれだら、ゆるしてあげじゅんだどう。」 「ゆっくりしね、ゆっくりしね!」 ああ、本来なら既に原形をとどめてないだろうなぁ、私が慈悲深くて助かったね、ゆっくりゃ。 「主任~、鉈と小麦粉と水を持ってきました~」と新人の声が聞こえた。 「ありがとよ。お前の言葉がなかったらこんなの思いつかなかったから、こいつらはお前が改造してくれ。俺は残りを改造してみたいから。」 「いいんですか!僕、一度希少種を虐待・・・いや改造してみたかったんです!!」 楽しそうな顔をしている、未来の主任はこいつに決定だな! 「ぎゃおー、たべじゃうどー。」 まだ、言ってるよこいつ・・・ほんとに死ねばいいのに。 ぎらっと光る鉈と新人の笑みを見てようやく、ゆっくりゃは自分の状況に気づいたようだ。 新人がゆっくりゃをつかむと、 「う? いやだどぉーー!! はなすんだどぉーーー!!!」 「ざぐやー!!ざくやー!!」 咲夜さんはいないだろ。馬鹿だな。 「ざっ・・・ぶへぇぇ。。」 ゆっくりゃが新たに叫ぼうとしたその刹那、鉈はその体をスパッと真っ二つに裂いた。 「うぎゃああああああああああああ、いだいんだどおおお、ざぐやーだずげでー!!」 うるさいので、冷凍スプレーをかけて半分凍らせておいた。 そして、ずっと「ゆっくりしね」とばかり言っているフランも同じ措置を施した。 「ぎゃあああ、ゆっく・・り・・し・・・」 おんなじように凍らせたから静かになったね。 軽々しく死ねなんか言うから、こうなるんだよ「ゆっくり反省してね」 凍らせた、ゆっくりゃの右半身とゆフランの左半身を組み合わす作業が始まった。 当加工場では、統一の規格があり、Mサイズならばどのゆっくりも同じ大きさなのだ。 それゆえ接合作業は、非常に簡単なのだ。 しかし、それだけでは面白くなさそうだからか、より高等な作業をあの新入りはしている。 もしかしたら、もしかしなくてもだが、彼は鬼意山なんだろう。やはり、大物はそうでなくっちゃなww ゆっくりゃの右半身にゆフランの右半身の中身を入れ、左半身にはその逆の操作をする。 そして、内部に電動の遠隔操作できるヘラを入れて、彼は接合したようだ。 接合体(以下ゆフりゃ)が目覚めたようだ。 「うー、ゆっくりしぬんだどー」 「ぷっでぃんとさくやはたべちゃうどー」 うっわ、カオス度増し増しじゃねえか・・・ 咲夜を食べるって。。。声もゆフランとゆっくりゃの中間ぐらいだ。 「はじめに、おじざんがゆっくりしぬんだどー」 と言って飛び出した。おお、無事に羽も使えてるようだ。 新人は、飛んでくるゆフりゃに内蔵された、へらを回転させるスイッチを押した。 「うぎゃああああああああああああ、ながみがまわるんだどおおお、ざぐやーだずげでー!!」「ゆっくりしねゆっくりしね」「ざぐやはじねぇえええええええ」 何言ってるかわかんねえやww 回転すると時々本来の声も聞こえたが、時間がたつとゆフりゃの声しか聞こえなくなってきたな。そろそろだろう。 「おーい、そろそろ解体して食べてもいい時間だぞー」 「わかりました~主任~。今潰します~」 なんて聞き分けの良いやつだ。プロは自分の時間と公の時間を区別できるってことだな。 そんな感心してる間に彼は、ゆフりゃを撲殺していた。 口に入れる緊張の一瞬 「まっず、これは食えたもんじゃないな・・・」 「ほんとうっすね。やはり、肉まんと餡まんは合わないんですかね~?」 「いや、絶妙なバランスを見つけるまでは引き下がれないな。この役は君にやってもらうよ。」 「わかりました、期待に応えてみせます!!」 こうして、彼の挑戦は始まったのだ。 私は、紅魔館に「ざぐやはじねぇえええええええ」と録音されたテープを送りつけた。 その後、ボロボロになったゆっくりゃの大群が加工場に送られてきたのは言うまでもない。 続く。 このSSに感想を付ける
https://w.atwiki.jp/simulationofgrand/pages/75.html
配信者が嫌がるような書き込みはしないようにお願いします(BAN対処致します) 短時間の間に過度な書き込み改変が起きた場合は制限する場合があります 配信者の物語をより一層盛り上げて頂けると幸いです
https://w.atwiki.jp/futabayukkuriss/pages/2456.html
まりさとまま 12KB 越冬 群れ 自然界 現代 人間なし 創作亜種 撮影まりさの出生の話です。 『まりさとまま』 希少種 独自設定満載 「まりさの思い出」の外伝です。 ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー まりさは厳しい越冬の最中に生まれた。 両親の越冬はまりさを生んだ時点で失敗だったのだろう、 気が付けばまりさ1匹で生活をしていたのだ。 両親が何種だったのかも覚えていない、 分かるのは自分がまりさ種である事から片方はまりさだったのだろうと言う事だけだった。 まりさのお家は、何故か群れから離れた場所に作られている。 越冬で両親が死んだ後は、長が毎日まりさのご飯を持ってきてくれている。 でも何かがおかしい・・・・ 皆、まりさを怖がっている。 長ですら、あまり会話どころか目も合わしてくれない、 ただ毎日、ご飯を巣穴前まで運んで来てくれているだけだった。 春も半ばまで来ると、赤ゆだったまりさも子ゆまで成長していた。 ご飯は毎日、長が持ってきてくれているとは言え、 ベットの用意からうんうんの処理まで、自分でやらねば誰も面倒はみてくれない。 そんな生活からか、赤ゆ言葉は早々に抜け自立した子ゆに成長していた。 『まりさはかりをおぼえたいんだぜ!』 両親がいないので、しかたなく長に頼むまりさ、 しかし、子まりさに関わろうというゆっくりは、この群れにはいなかった。 『かりはドスがするから、まりさはゆっくりしているといいよ。』 長もまりさには何も教えてはくれなかった。 教えて貰えないなら独自にやるしかないと、まりさは自分で狩に出た。 両親から受け継いだ餡が良かったのか、まりさの運動能力はかなり良かった。 春の軟らかい草や、生まれたばかりの幼虫を食べて狩の腕前を着々と上げていくまりさ、 既に自分で食べる分は、自分で集めれるにまで上達した。 しかし、長はまりさへご飯を運ぶのを止めなかった。 『おさ、まりさはごはんさんはじぶんであつめれるんだぜ?』 『いいんだぜ、これはおそなえなんだぜ・・・』 『おそなえ?まりさに?』 『まりさのぱぱとままにだぜ・・・』 お供えと聞いて不思議がるまりさ。 長はまりさにまりさの両親の事を話す事にした。 この群れは人里よりそんなに離れてはいなかった。 そんな群れを守っていたのが、 まりさの母であった。 守ると言っても、何か行動して守っていたのではない、 村の厄を一手に引き受けていたのだ まりさの母は「ゆっくりひな」である。 彼女のいる群れは厄災より守られると信じている。 しかし、群れの厄を一手に引き受けると言うのは、 ゆっくりの限度を遥かに超えた量である。 毎日、ひなは何も触れもしないのに傷ついて怪我をしていく、 だがそれが、群れを守ってくれているのだと群れの長は感謝し、 ひなの生活に必要な物は全部群れで用意した。 だが感謝はすれども異形なるゆっくりに畏怖し、あまり近寄ろうとはしなかった。 ひなは常に1匹で暮らしていた。 群れに気を使い、出来るだけ離れた場所に巣穴を掘った。 そんなひなへのご飯を運んでいたのが、のちに番となる父まりさであった。 長から、ひなの世話をするように言われ、 群れで集めたご飯を、毎日ひなのもとへ届ける。 そんな日々を送れば、必然的にひなとも親しくなり、 情も湧こうと言うものである。 『ひな、ごはんさんをもってきたよ。』 『ありがとうまりさ、ゆっくりしていってね。』 『ゆゅ~ん。まりさは、はこんでるだけだよ、おれいをいわれるほどのことはしてないよ』 『そうじゃないの、いつもひなといてくれていることよ。』 いつの間にか父まりさは、ひなの巣穴に住み着くようになっていた。 その方が、世話をするには便利よかったのである。 2匹は番となった。 長はこの2匹が子を成せば、次世代の守護が生まれると歓迎した。 だがひなは子の話になる悲しげな表情を浮かべる。 この時、長や父まりさ達は、 ひなの心の内を読む事は出来なかった。 子を成す事がどう言う結果をもたらすのかを。 『ひな、まりさはひなとのおちびちゃんがほしいよ。』 まりさはひなによく子作りをしようと持ちかけた、 だがひなはその思いに応える事は無かった。 何か事情がある。 まりさもそれには気づいてはいた、 しかし誰しもが最愛の者との子を望む。 それはあたりまえの事である。 ある日、いつも通り子作りを持ちかけて断られた時、初めて理由を尋ねてみた。 『ひなはまりさがきらいなの?おちびちゃんはいらないの?』 『そうじゃないわ、ひなもまりさがだいすきよ。 でもおちびちゃんをつくるとまりさが・・・・・』 ひなはまりさに話した。 ゆっくりひなはその身体に仲間の厄災を受ける。 その厄は身内にも及ぶのだと言う。 子を成せば、その子を媒介にまりさも完全な身内となる。 「ゆっくりひな」ならまだしも、通常種のまりさでは厄には耐え切れない、 恐らくまりさは子を成した瞬間に、死んでしまうであろう。 だがまりさはその話を聞いた上で言う。 『やっぱりおちびちゃんをつくろうよ。』 『まりさがしんじゃうのよ?』 ひなはまりさの反応に驚く、 普通なら自分の命に係わると聞けば、身を引く事を考えるだろう。 だがまりさは、それでも子供を作ろうと言う。 『そうだね・・・でもおちびちゃんはとってもゆっくりできるんだよ。 ひながまりさといるよりも、もっともっとゆっくりできるんだよ。』 まりさの決意は固かった。 自らの命を懸けての子作りである。 まりさと一緒になるまでは、常に1匹で寂しそうにしていたひなに、 もっとゆっくりして貰いたかった。 そして、その子は次世代の守護として群れを守ってくれる。 まりさの想いにひなはついに応えた。 だが死ぬと判っているのに、何の準備もせずに子作りをする訳にはいかない、 まず、長に自分が死んだ後の事を頼んだ。 事情を知った長も、まりさを引き止めたが、次世代の守護のためと言われると強くは止めれなかった。 『わかったんだぜ・・・・まりさのおちびちゃんはどすがぜったいゆっくりさせてやるんだぜ!』 ひなと群れの為に、死を決意した勇気あるゆっくりに、長は誓いを立てた。 長に保護を頼むと次は食料である。 一応、ひなのご飯は群れから貰えるのだが、子作りは越冬中に行うとひなと話あったので、 何匹生まれるかわからない子供の分、 通常より余分に貯めこむ必要があったのだ。 晩夏から始めた貯蔵も、秋の終わりには巣穴に満載し過ぎて、 巣穴の拡張工事をしなければならなくなった。 こうして越冬に入る頃には、一家どころでない凄い量の食料を準備できた。 『ゆゅ~ん、これでひなもおちびちゃんもゆっくりできるんよ。』 自分は次の春は拝めないと知りつつも、 感無量なまりさであった。 越冬にはいる前日、ひなは珍しく夜遅くに長の巣穴を訪ねた。 長に越冬中に子作りをする事で起こるであろう真実を全て話し、いくつかの事を頼んだ。 その中には、番であるまりさも知らない事が含まれていた。 『じゃあいいね?』 越冬に入って暫くして、 ついに2匹は子作りに入りすっきりを始める。 お互いの身体を擦り合わせて、しだいに紅潮していく2匹、 その高まりはやがて頂点に達する。 『『すっきり~』』 その刹那、まりさの身体が大きく膨れる。 覚悟はできている。 まりさは膨れ今にも弾けそうな身体で言った。 『ひな、おちびちゃん・・・・・ゆっくりしていってね』 パーーーーーーーーーーン まりさの身体は肉片も残さずに弾け飛んだ。 群れの厄災をその身に受けた結果である。 『まりさ・・・・・まりさ・・・・まりさ・・・・・』 涙流しながらひなは何度も名前を呼ぶのであった。 だが泣いてばかりはいられない、次は自分が子を守る番なのである。 数日たち、ついに子供が生まれてくる。 まりさの忘れ形見である。 なんとしても守らねばならない、ひなは覚悟を決め出産の準備をする。 ゆっくりひなは常に1匹しか子を成さない、 決して生まれて来るのが1匹だけと言う事では無い、 1匹しか守れないのだ。 『ゆ・・・ゆ・・・・・ぐぅ・・・ぐぅう!』 産道が徐々に開き始める。 そして最初の赤ゆが顔を見せる。 『ユックチウマリェルヨ』 ポン 『ユックチシ・・・・ギュギュギュ』 パーーーーーーーーン 1匹目に生まれた赤まりさは、突如弾け飛んでしまった。 『ユックチウマリェルヨ』 ポン 『ユック・・・・ギギギギ』 パーーーーーーーン 2匹目も弾け飛ぶ。 次で最後の子供だ、 ひなは自分のお飾りであるリボンを、そっと顔を見せ初めている赤まりさにかけてやる。 『ユックチウミャレルヨ』 赤まりさはひなのリボンに絡まる形で産み落とされた。 『ユックチチテイッチェネ!』 最後の子供は無事に産声を上げる事ができた。 その刹那、ひなの身体が膨れていく、 先に亡くなったまりさと同じように。 子にうける厄災を自分のお飾りをかけてやる事によって、 全てその身に引き受けたのだ。 お飾りは1つしかない、 必然的に、子供も1匹しか助ける事は出来なかった。 ひなが長に頼んだ事の1つは、それは越冬明けには巣穴には赤ゆ1匹であり、 自分達は生きて育てる事が、出来ないであろうと言うことであった。 赤まりさは最初の食事をそのリボンを食べて育った。 このリボンを食べつくす頃には、 父まりさが必死になって貯めた食料を食べる事が出来るようになっているだろう。 『おちびちゃん・・・・・ゆっくりしていってね・・』 パーーーーーーーーーーーーーン! こうしてひなも弾け跡形も無く亡くなってしまった。 『ユックチユックチユックチ』 巣穴には事情を知らぬ赤ゆの声だけが響いていた。 こうしてまりさはこの世に生まれてきたのだ。 越冬を終えた長はまず最初にひなの巣穴に行き、赤まりさを保護した。 そして群れの守護として大事に育ててきたのである。 『まりさのままはむれをゆっくりさせるためだけにいきていたのぜ?』 話を聞いた子まりさが長に最初に聞いた事がこの疑問だった。 ゆっくりは基本、自分がゆっくりする為にしか頑張らない、他ゆの為に自分のゆっくりを捨てさした。 群れに対してまりさはそうイメージしたのである。 『それは・・・・どすにもわからないんだぜ・・・・』 長にもこれは答えられるはずがなかった。 群れを守るのは長としての使命である。 たしかに群れは守られたのかもしれない、だがそれはひなの能力によってであり、 決して長の力では無かった。 長が帰った後、子まりさは考えた。 群れは本当に必要なのか? チャリチャリチャリィィィ そう感じた時、子まりさの中から1本の鎖が現れた。 その鎖は地面に?がっている。 『ゆゅ?なんなのぜ?』 子まりさは巣穴を飛び跳ねてみるが、鎖は地面に?がったまま付いてくる。 重みも抵抗も一切感じない、ただ地面と子まりさを?いでいるだけだった。 その日から子まりさは、?がれた生活をしなければならなくなってしまった。 何処に行っても付いてくる。 何をしてても?がっている。 ある日、そんな鎖に変化が訪れた。 群れの仲間が子まりさを、あからさまに除け者にしたのだ。 子まりさは酷く傷ついた。 ピシ 子まりさの心が痛んだ刹那、鎖に罅が入った。 子まりさはその罅を見ていると、群れに嫌気がさしてくる気がした。 ピシ 仲間でのピクニックに誘ってもらえなかった時、 ピシ ありすの都会派なコーディネイトを子まりさの巣穴だけしてもらえなかった時、 ピシ 長が獲ってきた蜂蜜を子まりさだけ分けてもらえなかった時、 罅は子まりさが傷ついた分だけ入っていった。 不思議な事に、この鎖は子まりさにしか見えないらしく、 誰も罅はおろか鎖にも気が付かなかった。 鎖が罅で一杯になった時、子まりさは群れが嫌いになっていた。 そしてとうとう群れを出て行く決心をしたのだった。 とは言え、群れの守護として長の保護を受けている立場である。 一応、長に群れを出る事を相談した。 『まりさはひとりだちをするんだぜ、ゆっくりむれをでていくよ。』 『それは・・・・それはだめなんだぜ・・・ まりさはむれのまもりがみなんだよ?ゆっくりりかいしてね。』 長の言う事に子まりさは怒りを感じた。 群れの為に母のように、自分のゆっくりを捨てろと言うのか? これが仲の良い仲間なら、子まりさも身を挺して守ろうと思えるだろう。 だが大切とは名ばかりに、隔離されたかのような生活、 これが仲間だろうか? この疑問が鎖に最後の罅を生んだ。 ピシ・・・・ピシピシピシ・・・パッキーン 鎖は遂に断ち切れてしまった。 不意に子まりさの中から黒いリボンが噴き出てきた。 シュルシュルシュルシュル 1本どころの話では無い、 子まりさの身体中から沢山のリボンが噴き出し、次々に空へと舞っていく、 そしてそのリボンが止まった時、 異変が起こった。 『ゆ?ぎゅぎゅぎゅぎゅ・・・・・・ぐるじいんだぜ・・・・』 先ほどまで話をしていた長が苦しみだす。 呻きや悲鳴は群れ中から聞こえた。 『ぎぎぎ・・・わがらいよぉぉぉぉ・・・・』 『だでがでいぶばずげぇぇぇぇ・・・』 『ぶぎゅぎゅぎゅぅぅぅぅぅぅ!』 『ご・・ごんなぁぁぁどがいばじゃなぁぁぁぁぁ・・・』 やがて長が黒く変色しだす。 長は苦しみの中で、ひなと約束した事を思いだした。 「ひなのおちびちゃんを決して、仲間外れにはしないで下さいね、 仲間を大事に思う気持ちが無くなれば、楔は放たれてしまいます。 大切な仲間であれば、共に生きる気持ちを生んでくれます。 それを忘れないで下さいね・・・・・」 長はこの時、ひなの言っている意味が良く解らなかった。 だが今、ようやく理解する事が出来た。 守護とは群れを思う気持ちがあって維持できるのだと言う事を、 仲間でない者は守れないのだ、 長の群れは子まりさを仲間として扱っただろうか? 腫れ物を扱うかの如く、除け者にしていたのではないか?寂しい想いをさせたのではないか? 群れの態度が遂に、子まりさに決断させてしまった。 自分はこの群れの仲間では無い 今更、理解しても遅かった。 これまで封じられてきた厄災が群れに返される。 身に余る厄はゆっくりの身体を蝕んでいく、 長は消え行く意識の中で誤った。 『まりさ・・・ゆっくりさせてあげられなくて・・・ごめんなんだぜ・・・・』 その最後の想いは、言葉で子まりさに伝える事は出来なかった。 子まりさは身体から噴き出るリボンに気を取られ、 気が付けば群れ中のゆっくりが黒い塊と化していたのだ。 子まりさは、驚きはしたが哀れみは感じなかった。 もお自分は群れの仲間じゃ無いのだから・・・・ 子まりさは旅に出た。 群と言う物に嫌気がさしていたので、 世の中を見て周る旅に出る事にしたのだ。 後にフリーカメラマンのお兄さんに飼われる前の話である。 ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー 写真まりさの外伝を書いてみました。親にゆっくりひなを持ってきたのは、 「まりさので思い出」を書いた時に決めた裏設定です。 今回こんな形で出す事ができました。 ちなみに僕はこのまりさを「デスラッチまりさ」と呼んでおります。なんか語呂いいかなとw 相変わらず誤字・脱字は多いかもしれませんが勘弁して下さい。 これまで書いた物 ふたば系ゆっくりいじめ 1097 ゆ虐ツアー ふたば系ゆっくりいじめ 1111 ゆ虐ツアー お宅訪問編 ふたば系ゆっくりいじめ 1116 雪原のまりさ ふたば系ゆっくりいじめ 1122 ゆヤンワーク ふたば系ゆっくりいじめ 1129 まりさの思い出 ふたば系ゆっくりいじめ 1152 まりさとつむり ふたば系ゆっくりいじめ 1154 ゆっくり種 ふたば系ゆっくりいじめ 1156 ゆっくり種2 ふたば系ゆっくりいじめ 1160 まりさとおにいさん ふたば系ゆっくりいじめ 1169 ゆっくり種3 トップページに戻る このSSへの感想 ※他人が不快になる発言はゆっくりできないよ!よく考えて投稿してね! 感想 すべてのコメントを見る ゆっゆっゆ!! -- 2012-07-27 16 01 01 ↓撮影を介して厄を小出しに放出できてたのもあるんじゃないかな。 -- 2011-03-09 12 21 40 まりさにそんな過去があったのか…! -- 2010-12-31 12 55 27 そういうことだったんのか。 -- 2010-12-24 04 00 08 糞まりさのせいで不幸になったむれがかわいそう -- 2010-12-04 16 43 01 ↓群に属してないからたいして厄溜めてなかったんじゃね? -- 2010-09-14 12 10 40 昔…ジャンプでこんなの読んだことあるような…「アウターゾーン」だったかなぁ? -- 2010-07-17 04 06 49 あとあと矛盾が生じるよな。このまりさ母ひなの能力を受け継いでいるんだろ?あとの作品で、ぱちゅりーと番になっておちびちゃんが産まれているけど... -- 2010-07-02 02 18 12
https://w.atwiki.jp/futabayukkuriss/pages/471.html
制裁は誰がために 9KB ※M1あきさんのネタ振りに触発されて書きました ※独自設定垂れ流し 森の中をいっぴきのゆっくりれいむが歩いていた。 かわいらしいゆっくりだった。 しっとりとした濡れ羽色の髪。赤と白のおりぼんは汚れ一つなく、黒髪をきらびやかに飾 っている。つやつやモチモチとした肌は野生にはなかなか見られないものだ。 まぎれもなくこの付近の群れ一番の美れいむだろう。 きっと、とてもゆっくりと暮らしてきたゆっくりに違いない。 しかし。 今、れいむはゆっくりしていない。 ひそめられた眉。その瞳もまた、不安をたたえている。 ゆっくりとはいずる姿もどこかおっかなびっくり、何かに脅えているかのようだ。 だが、れいむにはどうして自分がゆっくりできていないのかわからない。 心配することなどなにひとつないはずなのだ。 ゆっくりできないことなどすべて排除されたはずなのだ。 なぜなら、れいむのいる群れは、人間のおにいさんによって、完全無欠に守られているの だから。 制裁は誰がために ある日突然、そのおにいさんはやってきた。 おにいさんの笑顔と持ってきてくれたたくさんのあまあまは、群れに大いに歓迎された。 そして、おにいさんは群れに提案した。 「僕にこの群れを守らせてくれないかい?」 不審に思うゆっくりもいたが、そのたびにおにいさんは新しいあまあまを出した。 そして、群れはおにいさんを受け入れた。 れいむは歩く。 今まで、こうして歩いていればゆっくりに出会った。「ゆっくりしていってね」と、定番 の挨拶を交わしていたはずだ。 だが、出会わない。 ふと、一つの藪が目に入った。 そこではかつて、まりさを見かけることが多かった。 れいむは美ゆっくり、引き手数多だった。そんな中、一匹のまりさと許嫁になった。 だが、れいむは断った。両親が一方的に決めた許嫁だったし、許嫁のまりさは好みではな かった。 許嫁のまりさはショックを受け、それからその妹のまりさがつきまとってくるようになっ た。 「ストーカー? それは許せないな! おにいさんが制裁してあげるよ!」 おにいさんに相談すると、早速妹まりさを制裁してくれた。 どんな方法か、れいむは知らない。ただ、群れの隅々まで三日三晩、妹まりさの悲鳴が響 いた。 藪を後にし、れいむは進む。 やがて、森が開けた。 よくゆっくりが集まっていた広場だ。 今は一匹もいない。 れいむはよく、仲良くしていたゆっくり一家とここで遊んだものだった。 そのゆっくり一家はもういない。 梅雨時、雨が続いた日。その一家は食料の備蓄に失敗した。結果、末っ子が犠牲として飢 えを凌いだ。 脆弱なゆっくりにありがちな、やむを得ない犠牲。 だが。 「子供を食べて生き延びた? それは許せないね! おにいさんが制裁してあげるよ!」 そのことを聞きつけると、おにいさんは一家を制裁した。 どんな方法か、れいむは知らない。ただ、群れの隅々まで三日三晩、一家の悲鳴が響いた。 れいむはため息を吐いた。 ふと、見上げると、広場の中央にある平べったい石が目に入った。 その上ではかつて、乱暴なまりさがよく声を張り上げていた。 乱暴なまりさは弱いゆっくりをよく虐めていた。 「弱いモノいじめ? それは許せないね! おにいさんが制裁してあげるよ!」 そのことを聞きつけると、おにいさんは乱暴まりさを制裁した。 どんな方法か、れいむは知らない。ただ、群れの隅々まで三日三晩、乱暴まりさの悲鳴が 響いた。 「まりさはほんとうにわるいゆっくりだったのかな……?」 れいむにはわからない。 ただ、乱暴まりさがいなくなってから、群れの十数匹が人間さんの畑を襲いに行った。 乱暴まりさは虐めていたのではなく、無謀なゆっくりを力で押しとどめていただけかも知 れない。 畑を襲いに行ったゆっくりは大半が帰ってこなかった。畑で人間さんに「始末」されたら しい。 命からがら逃げ帰ってきたゆっくりたちも、 「畑荒らし? それは許せないね! おにいさんが制裁してあげるよ!」 おにいさんに制裁された。 問題を起こすゆっくりは次々とおにいさんに制裁された。 制裁は常に三日三晩、ほとんど間を置かず行われた。 「なんだかさいきん、ゆっくりできないきがするよ」 友達のありすに、そう漏らしたことがある。 ありすは微笑み答えたものだ。 「そう? わるいゆっくりはみんな、おにいさんがやっつけてくれたわよ? げひんでな んぱなゆっくりも、すぐにちからをふるうゆっくりも、くうきのよめないゆっくりも…… とってもしずかでゆっくりしたむれになったわよ?」 そう言っていたありすももういない。 おにいさんに制裁された。れいぱーだったから、ということだが、れいむはありすがれい ぱーだと思ったことは一度もない。 群れはもう、かつての半分もゆっくりがいなくなってしまった。 れいむは群れの隅々まで響いたゆっくりの悲鳴が忘れられない。 制裁は常に三日三晩行われた。 「三」。ゆっくりに数えることのできる数字。 ゆえに忘れることができない。妹まりさが、ゆっくり一家が、乱暴まりさが……みんなの 悲鳴をわすれることができない。 「ゆっくりできないよ……」 誰に問うわけでもないれいむの呟き。 それに、答えるものがいた。 「やあれいむ! どうしたんだい? なにがゆっくりできないっていうんだい?」 「ゆゆっ!?」 いつの間に現れたのか。れいむの背後にはおにいさんがいた。 「れ、れ、れいむはゆっくりしてるよ!」 「そうかなあ? いま、ゆっくりできないって言っていなかったかな?」 「そんなことないよ! ゆ、ゆっくりしていってね! ゆっくりしていってね!」 れいむにはわけがわからない。 だが、恐かった。 おにいさんは恐ろしい存在ではないはずなのに。 群れをゆっくりできるよう、悪いゆっくりを制裁してくれるおにいさんなのに。 わからずに脅える。わからないから脅える。 混乱に包まれるれいむを、おにいさんは優しく持ち上げた。 「ほら、れいむ。落ち着いて」 穏やかに抱かれて、優しく撫でられて、れいむはようやく落ち着きを得る。 そうだ、このおにいさんはゆっくりできる人なのだ。群れをゆっくりさせてくれる人なの だ。なにも恐れることはない。 「れいむ。僕は君の味方だよ。なにかゆっくりできないことがあったら相談してね。おに いさんが悪いゆっくりを制裁してあげるからね」 「だ、だいじょうぶだよ! れいむはとってもゆっくりしているよ!」 「本当に? なにか困ってることはない? 遠慮しないで言ってみてよ!」 「ゆんゆん! だいじょうぶだよ! れいむはすっごくゆっくりしているよ!」 「でも、少しくらいゆっくりできないことはあるでしょ? ほら、言ってごらん」 「ないよ! ゆっくりしていってね!」 「またまたあ。ほら、遠慮しないで! 言ってごらんってば」 「……ゆ? れいむはゆっくりして……」 「言えよ」 おにいさんの腕の力が強くなった。痛みと驚きにれいむは悲鳴を上げそうになる。だが、 おにいさんに素早く口を押さえられてしまった。 「そう言えばれいむ、君を見ているとかわいすぎてムラムラして落ち着かないって話を聞 いたなあ……落ち着かないってつまり、ゆっくりできてないってことだよね。君はゆっく りをゆっくりさせない、悪いゆっくりなんだね」 れいむはおにいさんを見上げた。 笑顔が見えた。晴れ晴れとした笑顔だった。目も笑っていた。れいむはその奥に、禍々し い輝きを見た。 「れいむは悪いゆっくりだ。制裁しなくちゃね!」 「!」 れいむは暴れた。だが無駄だ。今までどんなゆっくりもこのおにいさんから逃れられたこ とはない。 暴れるれいむを軽く押さえ、おにいさんは微笑みのままに語る。 「ねえれいむ。ちょっと話を聞いてくれるかな。僕はね、虫を殺すのもためらうような弱 虫なんだ。だって、虫だって一生懸命生きているし、どんな生き物にだってちゃんと役割 がある。それを軽々しく殺すなんてできないよ」 それはおかしい。 おにいさんは群れのために何匹ものゆっくりを「制裁」してきたのだ。「制裁」されたゆ っくりは決して帰ってくることはなかった。 「だからゆっくりをいじめるのも抵抗があったんだ。ゆっくりにだってちゃんと役割が… …いや、ゆっくりにはないかな……とにかく! ゆっくりだって無意味に虐めることはで きない! でも、無意味じゃなければ話は別だ。僕だって綺麗事ばっかり言わないよ? 生きるためには肉だって野菜だって食べなきゃいけない。生き物の命を奪わなきゃいけな い! それと同じで、悪者をやっつけるのには抵抗無いよ。だって正しいことだからね」 れいむは身をよじり、どうにか口の端を腕のスキマから出した。 そこから精一杯叫ぶ。 「れいむはわるいゆっくりじゃないよ!」 その言葉を受けて、しかし、おにいさんは何一つ動じない。 微笑みを顔に貼り付けたまま、ただ、語り続ける。 「正しいことだから、悪いゆっくりをやっつけてきたよ。でも、困った。もうずいぶん 『制裁』しちゃって、悪いゆっくりはすっかりいなくなっちゃったんだ。でもれいむ、今 日は君がいた。これで三日三晩楽しめるよ。ありがとう」 れいむはぞっとした。餡子が冷えた。 おかしい。なにかが決定的におかしい。 「ねえ、れいむ。最後に聞いてあげるよ。なにかひとこと言ってごらん?」 「おにいさんだよ! わるいゆっくりなんていなかったんだよ! おにいさんがわるいん だよ!」 れいむは直感のままに叫んだ。 確かに、妹まりさはれいむのことをつけまわした。だがそれは話し合いで解決できたはず だ。 一家は確かに末の娘を食べて飢えを凌いだ。だがそれは仕方ないことだったのだ。 乱暴まりさもまた、必要悪として群れに必要な存在だった。 友達のありすだって、きっとれいぱーだったんじゃない。 悪いのはおにいさんだ! れいむの言葉を受け、おにいさんは笑みを深くした。 「おや困った。それじゃあ、僕は僕を制裁しなきゃいけないのかい? でもすまない。そ れはできないんだ」 おにいさんはれいむの口に手を突っ込んだ。そして、舌を掴むと、 「だって僕は『悪者を制裁しに来た』んじゃなくて、『僕が悪いと思ったゆっくりを虐待 しに来た』んだからね!」 一気に引っこ抜いた。 「ゆあああああああーっ!!」 舌を失ったれいむは、これでもう意味ある言葉は喋れない。 だが、黙ることはない。叫び続けるだろう。 きっと、三日三晩休むことなく。 苦痛の叫びを、制裁の名の下に。 了 by触発あき 過去作品 ふたば系ゆっくりいじめ 163 バトルゆ虐! ふたば系ゆっくりいじめ 172 とてもゆっくりした蛇口 ふたば系ゆっくりいじめ 180 ゆっくりばけてでるよ! ふたば系ゆっくりいじめ 181 ゆっくりばけてでるよ!後日談 ふたば系ゆっくりいじめ 199 ゆっくりたねをまいてね! ふたば系ゆっくりいじめ 201 ゆっくりはじけてね! ふたば系ゆっくりいじめ 204 餡小話の感想れいむ・その後 ふたば系ゆっくりいじめ 211 むかしなつかしゆーどろ遊び 上記以前の過去作品一覧は下記作品に収録 ふたば系ゆっくりいじめ 151 ゆっくりみわけてね! 元ネタ絵 byM1 触発あきの作品集 トップページに戻る このSSへの感想 ※他人が不快になる発言はゆっくりできないよ!よく考えて投稿してね! 感想 すべてのコメントを見る このスレって言わなくて良いことを好んで言う奴がいっぱいいるよな -- 2011-01-12 03 00 57 コメントもSSも微妙 -- 2010-08-07 02 02 54 ふぅ・・・しびれる鬼威山だぜ! -- 2010-08-05 23 21 52 他人に「いなかもの」なんて言うなんて、悪いゆっくりだ。 制裁しなくちゃね! -- 2010-07-12 13 33 12 おにいさんは「さいこぱすさん」ね!! いなかものっ!! -- 2010-06-19 11 40 37
https://w.atwiki.jp/futabayukkuriss/pages/1656.html
ユクミン 前 27KB パロディ 希少種 自然界 ギャグ?パロディという名の・・・ 私の名前はキャプテン・オリバー。 シャチホコ星出身の雇われ宇宙船パイロットだ! 背がちょっぴり低い(60cmくらい?)のが悩みのナイスガイさ!! まあ私の星の人間は大体そんなものらしいがね!! まあそれは置いといて。 早速だが私がかつて出会った、ある星に生きる不思議な生物との出会いを君達には見て貰おうと思う。 それなりに長いので時間は掛かるが、最後まで付き合ってくれるならばこれほど嬉しいことはない。 では、ゆっくりしていってくれたまえ!!! ○月×日、墜落した日。~脱出計画開始~ まいった。困ったことになってしまった。 まさか私としたことが、小隕石の接近に気が付かずに接触してしまうとは。 止むを得ず見知らぬ星に不時着したが、愛船のシャーク号もボロボロになってしまった。 久しぶりに取れた休暇。せっかくのバカンスだというのに、台無しだ。 まあこのまま腐っていても仕方がない。というか、それどころではない。 どうやらこの星中にシャーク号の部品が散らばってしまったみたいだ。 幸いこの周囲だけならシャーク号である程度移動できる。 どうやらここは地形的にも安定していて危険な生物もいないようだ。 ここを拠点にして部品を回収し、機能を増やして行動範囲を広げていこう。 まさか非常用の探知機が役に立つ日が来るとは思わなかった。 そして大きな問題が一つ。この星は私が生きていくには辛すぎる環境なのだ。 防護スーツの生命維持装置が働くのは一ヶ月ほど・・・それまでに船を直して脱出しなければ。 ~脱出計画二日目~ 早速近くに反応があった部品を回収に来た。 それにしても、無くなった部品には大型の物も多い。 一人では回収に手こずるかもしれない。誰か協力者でもいれば・・・ そんなことを考えていると、目の前にピコピコ動く、芽のような物を見つけた。 なんだこれは・・・? 普通に考えれば植物の目だが、明らかに意思を持ったようにピコピコ動いている。 ―――怪しい。誰がどう考えたって、ロクな物じゃない。 ただでさえ警戒すべき未開の地。こんな得体の知れない物に気安く接触すべきではない。 至極当然の結論を出した私は、そのまま動く芽を無視してそばを通り過ぎようとした。 すると――― 「ゆっくりしていってね!!!」 勢い良く、芽があった場所から何かが飛び出してきた。 黒い髪に大きな赤いリボンをつけた、20センチ弱の・・・生首!? 「あっ!ゆっくりしていってよー!!」 生首の制止の声も振り切って、私は逃げた。 冗談ではない。職業柄、異星の生物との接触は慣れているが 流石に喋る生首などは専門外だ。どちらかというとオカルトに分類されるのではないのか? そんな事を考えながら必死に逃げていると、前方にまた例の動く芽が! 当然「ゆっくりしていってね!!!」出てくる生首。 よく見れば、周囲に同じような芽が沢山生えている。逃げ場がない。 それにこのまま逃げても、同じ事の繰り返しになりそうな気がする。 どうやら(何故か)言葉は通じるみたいだし、敵意も無いみたいなので対話を図ってみるのも手だろう。 あまり交渉は得意な方ではないのだが・・・ 私は意を決して、生首に話しかけた――― ・ ・ ・ 意外とスムーズに意思の疎通ができた。 とりあえずこれまでにわかった事といえば どうやら、この生首は“れいむ”という生物らしい。 いや、生物と言っていいものか・・・ なにせ彼らは中身が餡子の饅頭なのだから! 生きた動く饅頭・・・ますますオカルトチックになってきたではないか。 それはともかく、早速情報収集という事で色々と聞いてみた。 何故君たちがこのような姿形をしているのか? 人間というものを知っているという事は、この星にも人型の生命体は存在するのか? 様々な疑問をぶつけてみたが、殆どの質問を“れいむわかんないよ!”で返された。無常なものだ。 とりあえず何が目的なのだろうか?聞いてみよう。 「にんげんさんがゆっくりできてなかったから、ゆっくりしてっていいにきたんだよ!!」 意味がわからない。これは質問の答えになっていないのではないのか? 第一私にゆっくりしている時間など無いのだ。なにせ命が懸かっているのだから。 「にんげんさんはなにかゆっくりできないりゆうがあるの? なられいむがてつだって、にんげんさんをゆっくりさせてあげるよ!!」 ―――何?それは手助けをしてくれると言うことだろうか? 「そうだよ!!」 うーむ。気持ちは嬉しいが、正直あまり役に立ちそうに・・・ 「ゆっ!しつれいだね!じゃあ・・・ゆっくりしていってねっておおきなこえでいってみて!!」 何を急に・・・「いいから!」あぁ、わかったよ。・・・ゆっくりしていってね!!! すると 「「「「「「「「「「ゆっくりしていってね!!!」」」」」」」」」」 すさまじい数のれいむが周りから飛び出てきた。 「ゆふふん、どう?これだけたくさんいれば、にんげんさんもゆっくりできるでしょ?」 これは驚いた。こんな習性があるのか。 「そうやっておおきなこえでゆっくりしていってねっていえばきっとみんなでてきてくれるよ!!」 これは中々役に立つかもしれない。 これだけの数がそろえばきっと重い物も引っ張ることができるだろう。 芽があるところで呼べばすぐに出てくるのもいい。簡単に補充が利く。 見た所、結構な数の芽がここには生えているようだ。 せっかくの厚意だ。どうやら悪い奴等でもなさそうだし、手伝って貰おう。 早速周囲のれいむを集めて、最初に見つけた部品を運んでもらうことにした。 この大きさなら大体・・・四匹ほどいれば大丈夫だろう。 頼んだぞ、れいむたち。 「ゆっくりまかせてね!!!ゆーしょ、ゆーしょ!・・・おもいぃ゛ぃ゛!!!」 「あ゛あ゛あ゛あ゛!!でいぶのなちゅらるぱーふぇくとなはがぁぁ゛ぁ゛!!」 「ぜひゅ~、ぜひゅ~。ぼ・・う・・・だ・・・め゛ぇ゛・・・・・・」 「でいぶぅぅぅ゛ぅ゛!!!ゆっぐりじでよぉぉ゛ぉ゛!!!」 全くもって駄目だった。 すぐ疲れて息を荒くする者や、歯を欠けさせて泣き喚く者ばかりだ。 なにも歯で咥えなくとも、押せばいいだろうに・・・それにしたって弱すぎる。 仕方ないので、考えていたよりも倍の数を使ってやっとシャーク号まで運ぶことができた。 最初数十匹いたれいむは今や半分ほど脱落している有様だ。 まあそれでもこの状況では心強い味方になってくれることは間違いない。 しばらくは彼らと共に部品回収を進めていくことにしよう。 ちなみにれいむから聞いた話では、れいむたちとは異なる種類も存在するらしい。 れいむたちはそれらを自分達もひっくるめて“ゆっくり”と名乗っていた。 私もそれに習って、れいむたちの種族をひっくるめて“ゆっくり”と呼ぶことにしよう。 他の種類のゆっくりも友好的であれば助かるのだがな。 さて、なんだかんだで今日は結構な進展があった。 無くなった部品30個の内3個が戻ってきて、 修理して取り付けた結果、少し行動範囲も広がったようだ。 この調子でどんどん進んでいくと良いのだが・・・ 大きな不安とほんの少しの安心感を胸に、 私はシャーク号までついて来たれいむたちを貨物室に押し込んで(意外と広いのだ) そのまま拠点に戻って眠りにつき、その日を終えた。 ~脱出計画三日目~ 行動範囲は広がったものの、まだ近辺には部品が残っている。 それを回収すべく、今度は違う方向にれいむたちとやってきた。 「ゆひゅ~、ゆひゅ~・・・れいむつかれたよぉ・・・」 「にんげんさん。ちょっとやすませてね・・・」 まだそんなに働いていないというのに、もう音を上げているれいむたち。 一匹あたりの運動量を考えると負担はかなり少ないはずなのだが、 すでについて来ている数は捜索開始時の三分の一ほどになっている。 しかも、やたらと休憩するせいで回収効率もガタ落ちだ。 おまけに夜になると 「こわいゆっくりがたくさんでるよ!」 ということでれいむ達は明るいうちにしか働きたがらない。 こちらとしても何があるかわからないので、日没までにはシャーク号に戻らなければならないのだ。 もう駄目だ、疲れた、休みたい、などとひたすらぼやくれいむたちからは、 根気や力強さ、その他諸々のプラス要素が少しも見当たらない。 長所といえば、掃いて捨てるほどそこら辺に生えているということぐらいか。 どれだけダメダメなんだ、こいつらは・・・ とは言ったが、これでも労働力として役に立ってくれていることは事実だ。 あれこれうるさいくらいで別れるというのは早計だろう。 ここは黙って我慢だ・・・ れいむの泣き言を適当に聞き流しているうちに、部品が落ちている場所にたどり着いた。 後はれいむたちに運ばせるだけなのだが・・・ 「ゆん?れいむと・・・にんげん?がそろってなんなんだぜ? いままりささまはゆっくりしたぴかぴかさんみるのでいそがしいんだぜ!どっかいくんだぜ!!」 黒い帽子をかぶった、金髪の生首。おそらくゆっくりだろう―――がいた。 落ちている部品に寄り添っている。気に入ったのだろうか? 「ま、まりさ!そのぴかぴかさん・・・」 「もしかしてれいむたちもぴかぴかさんをみにきたのかぜ? でもこれはまりささまがひろったからまりささまのものなんだぜ!あきらめるんだぜ!!」 どうやられいむの台詞から推測するに、こいつはまりさというらしい。 ゆっくりまりさ、というわけか。 「そんなぁ!それがないとにんげんさんがゆっくりできないよ!!」 「そんなことしらないんだぜ!さっさとうせるんだぜ! それともまりささまのどれいになってみるかぜ?そしたらすこしくらいはみせてあげてもいいんだぜ!!」 ゲラゲラ笑うゆっくりまりさ。なんだかゲスい奴だな・・・ まりさってのは皆こうなのか? 「ううん。まりさのなかにも、たまにゆっくりできないまりさがいるんだよ・・・」 まあ普通に考えればそうだろうな。ならば便宜上、ゲスまりさと呼ぶことにする。 しかしゲスいと言っても一応対話が可能なのだから、交渉に移ろうとはしてみるべきだろう。 元はといえば私のものだ。いきなりで悪いが返してはくれないだろうか? 「なにいってるんだぜ?これはおちてたのをまりささまがみつけたんだからまりささまのものなんだぜ! わけのわからないこというにんげんはゆっくりできないからゆっくりしないできえるんだぜ!!」 が、やはりそうなるだろう。当たり前だ。 突然証拠も無しに返せといわれて、大人しく渡す者がいるはずがない。 まあそれにしては随分と物言いから知能の低さが滲み出ているが・・・そもそも交渉などできるのだろうか? 「ゆん?なんなんだぜ?・・・もしかしてまりささまのかっこよさにみとれてるのかぜ? ならしかたないからにんげんでもどれいにしてやってもいいんだぜ!!かっこよくてごめんね!!!」キリッ(笑) うん、できなさそうだ。精々れいむとどっこいどっこいといったところだろう。 「 !! まりささまが、そこのばかそうなれいむたちとおなじだっていったのかぜ!!? ゆ・・・ゆるさないんだぜ!てんさいまりささまをばかにするとどうなるかおもいしらせてやるんだぜ!!」 しまった、聞こえていたのか! いきなり飛び掛ってきたゲスまりさに合わせて、私はとっさに足を振り上げた。 「げべっ!!げっ!ゆぶっ!べっ!!!」 どうなることかと思ったが、まりさは私の足に当たって、見事に飛んだ。 そしていくらか跳ねた後、顔面で無様に着地する。 おや?・・・そうか。身体能力なんかもれいむと同じ程度なのか。 「ゆ゛っゆ゛っゆ゛っ・・・ゆ゛っぐり・・・ざぜ・・で・・・・・」 そのまま動かなくなってしまった。・・・もしかして、死んだのか?あれで!? そんな、まさかたったあれだけで! 「にんげんさん。いくらまりさがげすだからってゆっくりごろしはよくないよ・・・」 「にんげんさんはもしかしてゆっくりできないひとなの?」 れいむたちも若干引いている。 ち、違う!ワザとじゃないんだ!私はただ足を・・・ 「そっか。わざとじゃないならしかたないね!!」 「そうだね!!たまたまならしょうがないよ!!あのまりさげすだったし!!」 あ、それでいいのか。 軽いな・・・ まあいい。これは不幸な事故として片付けて置こう。 さあ、後はこの部品を運び込んでここ一帯は回収完了だ。次からはもっと足を伸ばせるぞ。 頑張ってくれ!!れいむたち!!! 「「「「「ゆっゆっおー!!!」」」」」 この日は拠点近辺の部品を回収し終えて、 ゲスでない普通のまりさが埋まっていたので、せっかくなので補充がてら引き抜いた。 現在のゆっくりの割合はれいむとまりさが半々だ。貨物室に入れられるだけの数を引き抜いておいた。 能力にあまり違いは見られないが、ものは試しだ。それほど変わらないなら痛手も少ないだろう。 残りの部品は、後24個。 まだまだ先は長いがそれほど悲観するような状況でもないのかもしれない。 私の不安はほんの少しだけ。だが昨日よりも確実に軽くなっていた。 ~脱出計画四日目~ 次は少し遠めの場所に来てみた。 ここにはセンサー類の一部が落ちているようだ。 これらを回収しておけばこの星の事がもう少し詳しくわかるようになるので、きっと探索も楽になるはず。 それにしても・・・ 「ゆぜー・・・ゆぜー・・・あづいよぉ・・・」 「じめんさんがあつくてやけどしちゃいそうだよ・・・」 「まりざもうあるげない゛がも・・・」 やっぱりまりさも、れいむとそう変わりなかった。 身体能力はまりさのほうが上のようだが、私から見ればその差は微々たる物だ。 そのくせ音を上げるのは非常に早い。困った物だ・・・ しかし彼らの言うことも分からないでもない。 私は防護スーツのおかげでなんとか感じないが、確かにここら一帯は気温が非常に高いのだ。 心当たりといえば、近くに山がある。もしや、活動している火山なのだろうか・・・ 「ゆっ!にんげんさん!ぴかぴかさんみつけたよ!!」 「ほんとだ!あれもってはやくかえろうよ。ここはゆっくりできないよ!」 そんなことを考えているうちに目的地に着いたようだ。 後は持って帰るだけなのだが・・・ ―――部品があるところまでは一本道。何故ならその道以外は全て焼けた岩が地面になっているから。 しかもその唯一の道も所々開いた小さな穴から煙が吹き出ている。 どう考えても危険だ。ここがもし活火山付近だとすればなおさら。 ここは無理に突っ込まずにゆっくりと対策を練るべきだろう。 下手に動くとロクなことにならない。 「なにいってるの!?こんなあついところにいたられいむしんじゃうよ!!」 「そうだよ!こんなところじゃゆっくりしたくてもできないよ!!」 「もういいよ!にんげんさんはほっといてれいむたちでぴかぴかさんもってこよう!!!」 「れいむたちをゆっくりさせれないにんげんさんはすっこんでてね!!」 「「「「「ゆっゆっおー!!」」」」」 あぁ・・・言ってるそばかられいむが半分ほど突撃して行った。・・・やめておけばいいのに。 「あ゛あ゛ぁ゛ぁ゛!!あづい!あ゛づい゛ぃぃ゛ぃ゛!!!」 「じんじゃうよ!!でいぶあづぐでじんじゃうぅぅ゛!!!」 「ゆあぁぁぁ゛ぁ゛!まっがなひさんん゛ん゛!!でいぶがらはなれでねぇぇ゛ぇ゛ぇ゛!!!」 「「「「「ぼっど・・・ゆっぐり・・・じだ・・がっ・・だ・・・・・」」」」」 やっぱり全員焼け死んだか。だからやめておけと言ったのに。 よく周りを見れば、ごく少量ではあるが火の粉が舞っている。おまけにあの煙はおそらく高温のガスだ。 当たればそれだけで焼け爛れるし、火の粉が引火すれば火炎放射機も真っ青の威力になるだろう。 さて。多大な犠牲を払ってそれが証明されたが、ここからどうしようか。 この防護スーツも流石にこんな異常な状況にまで耐えられるようには設計されていない。 単純な一本道ということは、ここ以外には道は無いということである。まわれる所など無い。 それにれいむたちが言っていた通り、あまりゆっくりしすぎていては暑さで参ってしまう。 考え込む私を嘲笑うかのように、また地面から火が吹いた。そんなとき――― 「もこたん、INしたお!!!」 地面から真っ白な髪の生首が飛び出てきた。おそらくゆっくりだろう。 始めて見る種類のゆっくりは、吹き出る火を見てうっとりしていたが やがて私達に気付いたのか、こちらに視線を寄越した。 「あ!にんげんさんだ!!はじめてみるお!! ゆっくりもたくさんいるお!!ゆっくりしていってね!!!」 どうやら敵愾心は無いみたいだ。これなら話しやすい。 ゆっくり・・・もこたんというのだろうか?何故いきなり出てきたのだろう。 「そうだお!もこたんはもこたんだお!! もこたんはひをたくさんみるとゆっくりできるからでてきたんだお!!! にんげんさんたちはここになにしにきたんだお?」 こういうゆっくりもいるのか。 私達は、この火やガスのせいで困っていると言うのに・・・羨ましいものだ。 「どういうことだお?ちゃんとせつめいしてくれないとわからないお?」 実は、かくかくしかじか・・・ 「そういうことだったのかお・・・それはたいへんだお! それならもこたんがてつだってあげるお!!もこたんあついのへいきだからきっとやくにたつお!!」 なんともありがたい申し出ではあるが、流石に一匹では・・・まさか! ゆっくりしていってね!!! ・・・何も起きない。ならやはり一匹で何とかするしかないのか。 「そうじゃないお!もこたんたちをよびたいならそれじゃだめだお!! ゆっくりINしていってね!!!っていってあげて!」 そこから違うのか。ゆっくりなりのオリジナリティだと思っておこう。 では・・・ゆっくりINしていってね!!! 「「「「「もこたん、ちょうINしたお!!!」」」」」 声と共に、出て来る出て来る大量のもこたん。これなら数も十分だ。 ではお願いしたい。 「にんげんさんのためにあのぴかぴかさんをみんなでとってくるお!!」 「もこたんにんげんさんをゆっくりさせてあげるお!!」 「せいいっぱいがんばるお!!」 それぞれ気合を入れながら部品の下へと駆けて行くもこたん達。 本人は平気だといっていたが、本当に大丈夫なのだろうか・・・ 「ゆっくりほのおさんもえてるお!!」 「とってもあつくてきもちいいお!!」 驚いた。半信半疑だったが、まさか本当にあの高熱の中で平然としているとは。 もこたん達は吹き出る高熱ガスや炎も意に介さず、軽々と部品を持ってきた。 一匹一匹のパワーも申し分ない。れいむたちには悪いが、彼らとは雲泥の差だ。 このままついて来てはもらえないだろうか。 「にんげんさん、さそってくれてうれしいけどそれはできないお・・・ もこたんはあついところじゃないといきていけないんだお。 だからここからはなれられないんだお・・・ごめんねにんげんさん」 そうなのか・・・残念だが仕方ない。こちらこそ無理を言って申し訳ない気分だ。 「で、でもあついところにはきっとほかのもこたんがすんでるはずだお!! さっきみたいににんげんさんがよべばきっとたすけてくれるお!!」 なるほど、覚えておこう。では今日のところは帰ろうか、みんな。 「きょうはくうきだったよ!!」 「こんどはまりさたちもがんばるからね!!」 「「「「「ぼるけいのぉ!ぼるけいのぉ!!」」」」」 こうして派手に火を吹く大量のもこたん達に見送られながら、私達は拠点に帰った。 共について来れはしないものの心強い味方ができたものだ。 そう思うと同時に、後ろの方で有りもしない本日の武勇伝を得意げに語り合っているれいむとまりさに (我ながら薄情だと思うが)一抹の不安を覚えながら、私は拠点に着くまでのほんの少しの間だけ浅い眠りについた。 本当に彼らで大丈夫なのだろうか・・・ ~脱出計画五日目~ 本日は昨日とは逆の方向に来た。 まさか反対の方角にまで同じような苛酷な環境は無いだろうと思ったからだ。 予想は見事的中。熱くもなく寒くもなく、険しい道もなく全体的になだらかだ。 普段文句が多いれいむやまりさたちも快適そうで何よりである。 ただし・・・ 「・・・おっきなかわさんだね」 「こんなにいっぱいのおみずさんみたことないよ・・・」 この緩やかな流れの、大きく深い河がなければ、の話だが。 これまた困った。この河は私の胸くらいまでありそうだ。 今までも多少の浅瀬はあったが、どれも私の膝までが浸るかどうかといった程度のものばかりだった。 どうやられいむたち、と言うよりもゆっくりは(饅頭である以上当然といえば当然なのだが)水を嫌うらしく 多少濡れる程度ならともかく、こんなに深い河に長時間は入れない。溶けてしまう。 河の幅が十数メートルという規模なのも問題だ。 彼らの脆さでは、おそらく思いっきり向こう岸まで投げ飛ばした後の、着地の衝撃だけで死んでしまう。 当の部品はというと、向こう側の岸からすぐそこの所に落ちていた。 今までの部品に比べればかなり小さく、よって軽いのでそれなら私がさっさと取りに行けば済む話だろう。 が、しかし。またしても問題は私の防護スーツである。 一応簡単な耐水加工は施してあるが、もし壊れてしまったら・・・ 言うまでも無く、その場でお陀仏である。考えたくもない。よって、私が入るという案も却下だ。 例に漏れず回り道は無いし、渡れそうな橋もない。どうしたものか。 ここに来てから私も頭を悩ませっぱなしだな・・・ 「ゆっふっふっふ・・・こまってるね、にんげんさん」 うん? 声のしたほうに振り向くと、つれてきたまりさが全員笑っていた。異様な光景だ。 「ほっといてね!・・・それよりもにんげんさん、こまってるね。 いわなくてもわかるよ!かわさんがわたれないんでしょ? れいむじゃおみずさんがたくさんあるとどうしようもないもんね!ゆぷぷっ!!」 あー、要らない挑発はいいから何ができるのか説明してくれないかね? 「わかったよ!! まりさたちはおぼうしさんにのっておみずさんにうけるんだよ!! おぼうしさんにのってむこうがわまでいってぴかぴかさんをみんなでもってかえればいいんだよ! そんなにずっしりさんじゃないんでしょ?だったらまりさたちなららくしょうだよ!!」 なんと、この帽子にはそんな機能が隠されていたのか。 しかしいくら部品が軽いとはいえ彼らに任せていいものか・・・ 「まりさたちにんげんさんといっしょにいて、まだゆっくりしたところなんにもみてもらってないよ! だからここでちょっとゆっくりしたところみせたいよ!!“おめーばんかい”のちゃんすをちょうだいね!!」 「まりさすごくむずかしいことばしってるんだね・・・」 「すごいよまりさ!!」 「ゆふふん!れいむももっとまりさをみなおしてもいいよ!!」 言葉の間違いはともかく、やる気に満ちているのはわかる。 どうせ他に方法も無いのだ。こう言ってくれてるのだし任せてみようか。 よし!では頼んだぞ、まりさたち!! 「「「「「ゆっゆっおー!!!」」」」」 現在居るだけのまりさが、全員河に向かって突撃していく。 昨日の火山でいつの間にか随分減っていた事を除いてもすごい数だ。 正直そんなに沢山は必要ないのだが、それだけやる気があるということなのだろうか? まりさが一列に並んで、帽子を浮かべて飛び乗った。 おお、本当に浮いている。嘘や見栄じゃなかったのか・・・疑ってすまなかった。 心の中で謝る私を余所に、まりさたちは全て浮かび終えたようだ。 後は部品を取って、力を合わせて行きの様に戻ってくるだけ。難しいだろうがこれなら期待できそうだ。 しかし、まりさたちはいくら立っても行動を起こさない。どうしたというのだ・・・? 「「「「「こ、こ、こ、ここからうごけないよぉぉぉぉ!!!」」」」」 ・・・なんだって!!?動けないとはどういうことだ!? 「まりさうきかたはしってたけどすすみかたはしらなかったよぉぉ!!」 「だれかぁ!!おーるさんもってきてねぇぇ!!」 「そんなのないよ!!ここからどうすればいいの!?」 「ゆ゛あぁ゛ぁ゛!!だれがだずげでぇぇ゛ぇ゛!!!」 なんという事だ。まさか言葉の通り“浮き方”しか知らなかったとは。 というか、普通そんな命に関わるような事を失念するものなのか!? 「あ・・あ・・あ・・・どうじで!?どうじでいきたくないほうにいっちゃうのぉ!!?」 「おぼーじざん!そっぢいがないでね!!ばでぃざのいうごどきいでね!!」 しかも、考えてみれば当たり前の事だが帽子が下流に向かってゆっくりと流され始めた。 とりあえず追いかけてみるが飛び込むわけにもいかず、近くに何かを引っ掛けるのに適した物もない。 う~む、だめだ。いい手が思い浮かばない。 「ゆっ!?なんのおと?」 「どどどどどどってきこえるよ・・・」 下流に向かっていくにつれ、何かを打ち付ける音が聞こえてくる・・・まさか 「「「「「たっ、たっ、たきさんだぁぁぁぁぁぁ!!!」」」」」 やっぱりそうか・・・ある種のお約束だな。 なにか御都合というか・・・第三者の悪意めいたものを感じそうだ。無論気のせいだろうが。 おっと、そんなことを言ってる場合じゃない。・・・とは言うが、どうしようもないのも事実だ。 「にんげんさん?どうしたの!?たすけてね!!たすけてね!!!」 「どぼじでぞんなゆっぐりじでるのぉ゛!?ばでぃざをだずげでよぉ゛ぉ゛!!」 「やだぁぁ゛ぁ゛!!ばでぃざじにだぐないよぉぉ゛ぉ゛!!」 すまない、まりさたち。どうする事もできない。 私にはもう打つ手が無いのだ。せめて安らかに成仏してくれ。 「ぞ、ぞんなぁぁぁ!!」 「あっちにもどってね!!もどってねぇぇ!! ・・・ばでぃざのずでぎなおぼーじざんもどっでよぉぉぉ!!」 「やだぁぁぁ゛ぁ゛!!!」 「もっとゆっぐりじだがっだぁぁぁ゛ぁ゛ぁ゛!!!」 「あ゛あ゛あ゛あ゛!!おちるよぉぉぉ゛ぉ゛!!」 「「「「「おぞら゛をどんでるみだいぃぃ………『ドバァァァン!!!』……」」」」」 滝を覗き込んでみる。・・・分かっていた事だが、何も浮かび上がってこない。やはり全滅したようだ。 数十匹いたまりさが一気に全滅・・・こちらに責務は無いとは言え、流石に罪悪感の一つも出てくるというものだ。 まあやってしまったものは仕方がない。次からはもう少し熟慮しよう。反省は次に活かす為にあるのだ。 そういえばれいむ達がいない。大方、彼らの身体能力ではついてこれなかったのだろう。 仲間が沢山死んだと言えば、どんな反応をするだろうか・・・ 少し沈んだ気分で、私は来た道を早足で戻った。 少しブルーになりながら部品があった河岸に戻る私を迎えたのは 「ゆ~ゆ~♪ゆゆゆのゆ~♪にんげんさんまだかな~」 「れいむたちをほうっていっちゃうなんてしつれいなにんげんさんだね!!」 「あんなばかなまりさなんかほっとけばいいのにね!!」 のんきに下手糞な歌を歌う、だらけきった様子のれいむたちだった。 ・・・ついてこれなかったのではなく、ついてくる気が無かったのか。 「あ、かえってきたよ!!」 「どうしたの?まりさたちはどうしたの?」 「やっぱりあのままおみずさんにおちちゃってしんじゃったんだよ!!!」 「できないことするからああなるんだよ!おおぶざまぶざま!!」 「かわいいれいむたちをばかにしたばちがあたったんだね!!」 ・・・なんだ、こいつら。 嘆くどころかれいむ達は一匹残らず笑っている。 善意の行動の結果散った彼らに、可哀想とかそういう気持ちは無いのか? 「なにいってるの?そんなのしらないよ!!」 「そうだよ!!にんげんさんをゆっくりさせるのはれいむたちだけでじゅうぶんなんだよ!!」 「めだとうとしてかってにしんじゃったまりさたちのことなんてしらないよ!!」 最初にあった頃に比べて、随分と性格が変わってないか? 第一、お前達なんかやる気があったのは最初の二日だけで、最近は文句しか言っていなかったと思うが・・・ そうは思ったものの、かく言う私もそう彼らを責める事はできない。 普段は後ろから指令を出すだけだし、彼らの運搬の邪魔をしてはいけないので下手に手も出せない。 今回も追いかけたはいいが何も出来ずにただ滝壺に落ちるのを見ていただけだ。 正直、何もしなかったという点では私もれいむたちと何も変わりない。 そう思うと、少し自分が嫌になる。まあそれでも、今のれいむ達よりはマシだと思うが。 しかしどうしたものか。 沢山の仲間を失い、残った者には正直良い感情が持てない。 おまけに現状を打破できるだけの妙案もない。 正に八方ふさがりだ。とうとう打つ手がなくなったか・・・ 「どうしたの?にんげんさん。ゆっくりできてないね!」 「きっとあのばかなまりさのせいだね!!ぷんぷん!!」 「しんでもめいわくかけるなんてどうしようもないね!!おおおろかおろか!!」 「やっぱりれいむたちがいちばんゆっくりできるんだよ!! にんげんさんもきっとそれがわかったはずだよ!!!ゆっくり~していって~ね~♪」 聴いているだけで胸糞悪くなるようなれいむの声を聞き流し、途方に暮れていると・・・ 「かっぱっぱ~♪なんだかゆっくりできてないふんいきだねえ。どうしたのかな~・・・あれ?」 緑色の帽子をかぶった生首・・・もといゆっくりが河からちゃぽんと姿を現した。 「・・・に」 ・・・に? 「にんげんさんだぁ!!すごいよ!はじめてみたよ!!にとりだいこうふん!!」 河の中ではしゃぎ出した。 それはともかく、にとりというのだろうか? 「あ、ごめんなさい・・・にとりはにとりっていうんだよ。 なんだかゆっくりしてないかんじがしたからきてみたんだけど、どうかしたの?」 「なんでもないよ!へんなゆっくりは」悪いがれいむは少し黙っててくれ。 実はかくかくしかじか・・・ 「そうだったんだ・・・たいへんだったね、にんげんさん。 まりさのことはざんねんだったけど・・・あのぴかぴかさんならとってこれるよ!!」 それは本当か!? そういえば水に平然と入っている。平気なんだな。 「うん!あれならちいさいからにとりだけでもだいじょうぶだよ!!」 正に渡りに船と言ったところか。 せっかくの申し出だ。ありがたく受けよう。 「まかせてよ!にとりはにんげんさんの“めいゆう”なんだから。かっぱかっぱ、かっぱっぱ~♪」 そう言うと、にとりは至極あっさりと対岸にあった部品を咥えて、浮かんだままこちらにやってきた。 「はいどうぞ!!」 こんなに簡単に・・・まりさの犠牲はなんだったのだろうか。 「ごめんね。もっとはやくここにくればよかったよ・・・ でもこれですこしはにんげんさんのやくにたてたよね?それならにとりはだいまんぞくだよ!!」 正直まだ気は晴れないが、こう言ってくれるにとりには心から感謝したい。 もう少しゆっくりしたい所だが、日没が近い。そろそろ帰らねば・・・ 「うん。にとりはおみずのないところじゃゆっくりできないからついていけないけど きっとこんなふうにおみずがたくさんあるところならほかのにとりがたくさんいるはずだよ! ゆっくりしていってねってよんでくれればきっとよろこんでてつだってくれるとおもうよ!!」 やっぱりそうなのか。まあ、もこたんの件があったからなんとなく察してはいたが。 それでも心強い仲間ができた、ということなのだろう。 これから部品の探索もどんどん厳しくなるはずなので、この申し出は有り難い。 正直・・・れいむよりは数段。 「じゃーねー、にんげんさん!!げんきでねー!! かっぱか~っぱかっぱっぱ~♪かっ~ぱ……」 元気に挨拶した後、河に潜って行くにとりに背を向け、私達はシャーク号へと戻った。 「こんかいもくうきだったね・・・」 「あのにとりとかいうゆっくりがよけいなことするからだよ!」 「そうだね!あんなのれいむたちならゆっくりなんとかできたのに!!」 拠点へと帰る途中の船内。 又してもほとぼりが醒めた頃に大口を叩くれいむたち。 もう彼らを頼るのはやめた方がいいのではないかと思えてきた。 まあきっと何かの役には立つはずだ。多分。おそらく。役に立てばいいなあ。 もう少し頼りになるゆっくりはどこかにいないものか・・・ れいむたちの戯言にうんざりしながら、私はどことも知れない星に願いをかけた。 不安かって?今の状況を見て心から安心できる者がいたら、見てみたいものである・・・ 続く ・なかがき 実は元の作品、30分くらいしかやったこと無いです。 不勉強による描写や設定の甘さがあっても華麗にスルーしてくださるとすごくありがたいです。 まあ元々設定に色々と無茶があるのは承知の上なんですが。 では後半で!! 小五ロリあき ・過去作品 ふたば系ゆっくりいじめ 412 僕と『あの子』とゴミ饅頭と ふたば系ゆっくりいじめ 446 俺とゲスと自業自得な餡子脳 ふたば系ゆっくりいじめ 460 弱虫まりさとほんとの勇気 ふたば系ゆっくりいじめ 484 ドスと理想と長の資格 前 ふたば系ゆっくりいじめ 494 ドスと理想と長の資格 後 ふたば系ゆっくりいじめ 514 僕とさくやとおぜうさま ふたば系ゆっくりいじめ 548 てんことれいむとフィーバーナイト 前編 ふたば系ゆっくりいじめ 559 てんことれいむとフィーバーナイト 後編 ふたば系ゆっくりいじめ 583 ゆっくりしたけりゃ余所へ行け ふたば系ゆっくりいじめ 599 はじめてのくじょ~少女奮闘中~ ふたば系ゆっくりいじめ 615 お兄さんは静かに暮らしたい ふたば系ゆっくりいじめ 659 よくあるお話 ふたば系ゆっくりいじめ 674 かわいいゆっくりが欲しいなら ふたば系ゆっくりいじめ 701 おうちは誰の物? ふたば系ゆっくりいじめ 789 ゆめみるれいむときゃっしゅさん 小五ロリあきの作品集 トップページに戻る このSSへの感想 ※他人が不快になる発言はゆっくりできないよ!よく考えて投稿してね! 感想 すべてのコメントを見る コイツらより、やっぱり普通にピクミンが良い -- 2013-03-28 23 26 58 「ゆっくりしていってね!」と「ゆっくりINしていってね!」で出てくるんだ・・・wwwwww -- 2011-10-23 20 14 49 にとり良い子だなあ…飼いたい… -- 2010-07-30 01 39 22
https://w.atwiki.jp/futabayukkuriss/pages/203.html
「ふたば系ゆっくりいじめ 14 ぐしゃのまつろ/コメントログ」 都合の良い理屈でぬこを虐めたでいぶはゆっくり苦しんでね♪ -- 2010-06-24 04 11 40 ぬこをいじめるなんて身の程知らずもいいとこだよ。 -- 2010-07-30 13 32 47 子猫は素晴らしいぞ、一度育てると忘れられない 手のひらに乗るサイズの頃から懸命にペット用ミルクを飲ませ、ふやかした餌を与える 夜は一緒に(ケージ入り)で一緒に寝て幸せいっぱいだ! それが餌だと・・・・? もはや怒りさえ湧かぬ、俺は全ての赤ゆだけを潰して回る、親ゆは足だけ削って放置だ -- 2010-07-31 02 29 35 ぬこを虐めた制裁だ!!クズが -- 2010-12-03 23 42 09 ぬこを虐めるなんて馬鹿なゆっくりだなー -- 2011-05-31 22 55 57 ↓同感ww -- 2011-12-14 21 08 21 ぬこをいじめた罰だよ!!! -- 2012-02-07 21 23 53 ぬこを虐めるゆっくりは虐待してやらないとな -- 2012-02-20 21 02 23 おまえらカス -- 2012-04-03 08 39 00 うがぁぁぁぁぁ!!猫をいじめるなんて俺がこの手で拷問してやりてぇぇぇ! -- 2012-07-11 00 44 06 ぬこも死ねば良いが、ゆっくりは楽に死なせちゃいけない -- 2012-12-10 13 46 09 猫をいじめるなんてクズ糞キモ最低アホ馬鹿ゆっくりだにゃん。許さないにゃ~`へ´猫可哀想 -- 2014-05-05 18 38 36 ねこをいじめるなんてゆっくりできないんだねー わかるよー -- 2014-07-08 23 29 21 バカなゆっくりは苦しみ尽くして死ぬべきだ(怒)(善良は除く) -- 2014-07-20 20 27 11 全く、虫にも劣る下等生物が・・・ -- 2014-07-30 13 30 11 野良は猫もゆっくりも同類項なんで、いまいちスッキリしない -- 2015-10-08 12 29 56 このド饅頭が(怒)猫苛めやがってガルルルルルル((ゲスはとっととえいえんにゆっくり(笑)すべきなんだよー。わかってねーねこさんをいじめたばつなんだよー ざまぁなんだよー。お兄さんその他もろもろ(蟻さんなどなど)GJ -- 2015-10-09 19 45 05 猫を襲うゆっくりという設定は使えるかもしれんな 猫好きのゆ虐アンチはこれでゆ虐アンチをやめてくれるかもしれん -- 2016-08-18 23 44 32 このクソ饅頭共がお前等みたいな汚物か可愛いぬこ虐めてんじゃねえ! -- 2017-04-10 02 37 24
https://w.atwiki.jp/kabutempra/pages/6.html
ウィキはみんなで気軽にホームページ編集できるツールです。 このページは自由に編集することができます。 メールで送られてきたパスワードを用いてログインすることで、各種変更(サイト名、トップページ、メンバー管理、サイドページ、デザイン、ページ管理、等)することができます ■ 新しいページを作りたい!! ページの下や上に「新規作成」というリンクがあるので、それをクリックしてください。 ■ 表示しているページを編集したい! ページ上の「このページを編集」というリンクや、ページ下の「編集」というリンクを押してください。 ■ ブログサイトの更新情報を自動的に載せたい!! お気に入りのブログのRSSを使っていつでも新しい情報を表示できます。詳しくはこちらをどうぞ。 http //atwiki.jp/tools/blogrssmaker.html? ■ ニュースサイトの更新情報を自動的に載せたい!! RSSを使うと簡単に情報通になれます、詳しくはこちらをどうぞ。 http //atwiki.jp/tools/rssmaker.html? ■ その他にもいろいろな機能満載!! 詳しくは、FAQ・初心者講座@wikiをみてね☆ http //faq.atwiki.jp/? 分からないことは? @wikiの詳しい使い方はヘルプ・FAQ・初心者講座@wikiをごらんください。メールでのお問い合わせも受け付けております。 http //faq.atwiki.jp/? ユーザ同士のコミュニケーションにはたすけあい掲示板をご利用ください http //bbs.atwiki.jp/? @wiki http //atwiki.jp/ [ヘルプ・FAQ・初心者講座 @wiki] http //www1.atwiki.jp/faq/ @wikiの助け合い掲示板 http //bbs.atwiki.jp/v1/ FAQ@Wiki http //faq.atwiki.jp/ @wikiご利用ガイド - powered by phpMyFAQ 1.6.5 http //atwiki.jp/guide/ @WIKI初心者ガイド - @ウィキ初心者ガイド - はじめてのウィキ作成 http //www33.atwiki.jp/atwikibeginner/ プラグイン一覧 http //www1.atwiki.jp/faq/pages/10.html? スタイルシート http //www.tagindex.com/stylesheet/text_font/font_size.html? デザインのカスタマイズ http //bbs.atwiki.jp/v1/viewforum.php?f=4 sid=7fed0bc3a13424bac527b4a6253ee4ab? HTMLクイックリファレンス http //www.htmq.com/?@wikiへ
https://w.atwiki.jp/futabayukkuriss/pages/2648.html
一人ぼっちのゆっくり 21KB 虐待-普通 制裁 愛で パロディ 小ネタ 悲劇 変態 同族殺し 野良ゆ ゲス 希少種 自然界 都会 現代 独自設定 流行に乗れないからいつものSSです ・このSSには愛でられるゆっくりとそうでないゆっくりが出ます ・高性能ゆっくりが出ます ・一部の賢いゆっくりは漢字を使って喋ります ・色々とパロディした部分があります ・作者に都合の良い独自設定があります ・これを書いたのはHENTAIあきです!いつものようにおまけがあるよ! ・それでもいいというひとはゆっくりよんでね!!! ある所に一匹のゆっくりもこうがいました もこうの周りには優しいおかあさんもお友達もいません だからもこうはいつもひとりぼっちです これからももこうはきっとひとりぼっちで生きるでしょう いつものようにもこうは目を覚まして朝ごはんを探しに家から出て行く。 番のゆっくりや知り合いのゆっくりは周りには一匹も住んでいない。 だからといってもこうは自分の境遇を悲しむことも、寂しいと思うこともなかった。 何故ならそれが当り前のことだと思っているからだ。 「むーしゃむーしゃ!ごはんさんはゆっくりできるお!」 たいして美味くもない家の周りの雑草を食べて満足するもこう。 食事が終わればいつもの日課であり、楽しみの一つヴォルケイノの時間である。 ゆっくりもこうが行う習性であり、希少種であるもこうの謎の一つだ。 自分の体温をあげて炎を出すという危険性が心配されるものだが、何故か周りに炎が燃え移ることはない。 だが実際に炎には熱があり、自分を襲ってくる外敵にはこの炎を使って撃退するところも確認されている。 研究者の間にはもこう自身が燃やしたいと思う存在しか燃えないのではないかとする説もある。 「ヴォルケイノ!ヴォルケイノ!ゆーん、やっぱりしょくごのヴォルケイノはゆっくりできるお!」 ひとしきりヴォルケイノを楽しんだもこうは、ゆっくりするためにお気に入りのゆっくりプレイスへと向かう。 もこうのゆっくりプレイスは日当たりのよい広場である。ここでもこうはいつもゆっくりしたり昼寝を楽しむのだ。 そんなゆっくりプレイスに今回は先客がいた。 「ゆゆ!?もこういがいにもゆっくりがいるお!?おなまえはなんていうんだお?」 「てるよ・・・。」 初めて会うゆっくりに興味津津なもこう。名前を聞かれて答えたのはゆっくりてるよだった。 本来なら刷り込まれた本能からてるよを攻撃してもおかしくないもこうだが、このもこうは今まで他ゆんと会ったことが無かった。 そのためてるよに素直に挨拶することが出来た。 「もこうはもこうだお!てるよ、いっしょにゆっくりするお!」 「いいよ・・・。」 短いがしっかりともこうに答えるてるよ。てるよ種はあまり動かずに常にじっとしている。 食事や運動といった行為も、子供を産むためのすっきりーの確認もされていない。 一体どんな生態をしているのか、ゆっくりが確認されてからだいぶ経つが未だに謎が多いゆっくりだ。 「じゃあさっそくいっしょにあそぶお!もこうはかけっこがだいすきなんだお!」 「めんどい・・・。」 そう言って遊びに誘うが、てるよは面倒くさいと切り捨てる。 「じゃあいっしょにごはんさんをさがすんだお!」 「べつにおなかへってない・・・。」 お昼ごはんを探そうとも誘うが、これもまたてるよに拒否されてしまう。 他にも色々ともこう提案するが、てるよはすべてを断ってしまう。 「じゃあなにをすればてるよはもこうとしてくれるんだお?」 自分がゆっくりできると思うことをすべて断られてしまい、もこうは困り顔だ。 てるよはそんなことを言われて、閉じていた目を少しだけ開けてこんな提案を述べる。 「おひるね・・・。」 「おひるねはゆっくりできるお!さっそくいっしょにおひるねするお!」 二匹は互いに体を寄り合わせて、自分の体を相手にくっつける。 今までどのゆっくりにも触ったことがなかったもこうには、それだけでいつもと違い楽しめた。 暖かい昼だということもあり、二匹はすぐに寝息をたてはじめる。 「もうくらくなっちゃってるお!もこうはおうちにかえるけど、てるよはどうするお?」 「てるよもかえる・・・。」 そう言ってもそもそと動き始めるてるよ。これだけでもおそらくゆっくりを研究する者には垂涎であろう。 てるよが見えなくなるまでもこうはその場に留まっており、見えなくなると慌てて自分の家に帰って行った。 初めての他ゆんにその日のもこうは興奮して中々寝付けないでいた。 ある所に一匹のゆっくりもこうがいました そのもこうには優しいおかあさんはいませんがお友達がいます だからもこうはいつも嬉しい気持ちです これからももこうはきっと嬉しい気持ちで生きるでしょう あれからもこうは毎日広場に行っている。 今までいなかった友達が出来たので、食事を持って行き毎日てるよと一緒だ。 味気ない雑草でもいつもよりもこうは美味しく感じている。 「きょうのごはんはめずらしいきのみさんだお!てるよいっしょにたべるお!」 「おいしい・・・。」 さっそく持ってきた木の実を仲良く食べる二匹。 食事が終わればいつもどうりにお昼寝を始める。こんな生活が最近の二匹の暮らしだ。 刺激はない生活であるが、もこうはこの生活を気に入っている。 昼寝が終わるころには日が暮れてもこうとてるよは自分の家へと帰っていく。 「それじゃあてるよ、またあしたなんだお!」 「じゃあね・・・。」 ゆっくりと家に帰る前に、もこうは明日のご飯を探すために暗い夜の中走りまわる。 これが普通なら捕食種に捕まえられる恐れがあるが、ここにはもこう以外のゆっくりがほとんどいない。 そのため餌も豊富にあり、もこうはてるよの分も餌を採ることが出来るのだ。 「これはあまいきのみさんだお!これならてるよもきっとよろこんでくれるお!」 口いっぱいに野イチゴを詰め込んで、もこうは自分の家へと帰ろうとする。 「ゆっくりしていってね!!!」 「ゆっくりしていくお!!!」 そんなもこうに声をかけるゆっくりがいた。これまで見ることがなかったゆっくりまりさである。 挨拶をした後に、まりさは顔を歪めてもこうにこんなことを言う。 「そののいちごさんをまりさにわたすんだぜ!わたさないとひどいめにあうんだぜ!」 「いやだお!これはてるよのためにとったんだお!」 堂々ともこうから野イチゴを寄こせと言うまりさに、もこうははっきりと断る。 しかしその答えにまりさはにやりと笑う。 「くちでいってもわからないゆっくりには、じつりょくこうしなんだぜえええええ!」 帽子から木の枝を取り出しもこうを突き刺そうとするまりさ。 しかしもこうはあっさりとまりさを避けると、逆にまりさに体当たりをする。 「ゆびょ!なにをするんだぜ!まりさにさからうなんてとんでもないゲスなんだぜ!」 「ゲスはそっちだお!てるよのごはんさんをとろうとするゆっくりはヴォルケイノするお!」 口の中からいったん野イチゴを吐き出すと、もこうはまりさに向けて炎を吐き出す。 まりさはあっという間に火だるまとなった。 「あぢゅいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいい!まりさのいだいなからだがやけちゃうううううううううう!」 「はんせいするんだお!ずっとゆっくりはさせないから、もうこんなことはしちゃだめなんだお!」 もこうがそう言うと、今までまりさを包んでいた炎が消えた。 全身をこんがりと焼かれたまりさは痛む体を引きずりながら何処かへ消えていく。 ゲスまりさを撃退したもこうは家へと帰り、てるよを会うのは楽しみにすぐに眠りについた。 「もこう・・・、きょうはだいじなおはなしがあるよ・・・。」 「なんなんだおてるよ?てるよからおはなしするなんてめずらしいお!」 いつものように食事をして昼寝を終えた後、帰ろうとするもこうにてるよが話しかける。 いつもより遅くまで昼寝をしていたため、空には綺麗な満月が浮かんでいる。 「てるよはおつきさまにかえらないといけない・・・、かえるにはもこうのたすけがいる・・・。」 「もこうはてるよのためならなんだってするお!それでもこうはなにをすればいいんだお?」 てるよの手伝いが出来ると思い、もこうは大喜びだ。 そんなもこうを見て、てるよは申し訳なさそうに言う。 「てるよをヴォルケイノしてほしい・・・。」 「だめだお!ヴォルケイノしちゃったら、てるよがずっとゆっくりしちゃうお!」 予想していなかったてるよの言葉に、もこうは体を跳ねさせてそれに反対する。 だがてるよはもこうに強く自身を燃やしてほしいとお願いする。 「てるよはもこうにあったら、ヴォルケイノでおつきさまにとどけてもらうことがいちばんうれしい。 もこうはいやかもしれないけど、てるよのいちどだけのおねだいからきいて。」 いつもの気だるそうな物言いではなく、はっきりとそう告げるてるよにもこうは涙目だ。 せっかく会えた友達なのに、どうして燃やさないといけないのか分からないがそれがてるよのお願いなのだ。 もこうはゆっくりと口を開く。 「ありがとうもこう。てるよがおつきさまにとどいたら、てるよのからだをたべてね。」 「わかったお!てるよはずっともこうといっしょなんだお!」 その言葉を最後に、もこうはてるよに向けて炎を吐き出す。 火だるまとなるてるよだが、その顔はとてもゆっくりしていた。 てるよの体がすべて燃え尽きると、もこうは涙ぐみながらてるよであった灰を食べつくし家へと帰った。 「もこうの体が大きくなってる。きっとてるよからのプレゼントなのかな・・・。」 ある日もこうが目を覚ますと、自分が胴付きとなっていることに気づいた。 だがもこうは喜ぶこともなく、楽しかったてるよとの生活を思い出し少し泣く。 そんな悲しい気分の時、もこうは家の外が騒がしいことに気づいた。 「ここだよ!まりさをもやしたゲスゆっくりがいるのは!」 「ひどいゲスだね!あんなにゆっくりしていたまりさにひどいことするなんて!」 「そんないなかもののゆっくりは、ありすたちがせいっさいしましょう!」 「わかるよー、ゲスはせいっさいされなきゃだめなんだねー。」 「むきゅ!これだけのゆっくりがいるなら、きっとらくしょうよ!」 煩いと思ったもこうが外に出ると、以前野イチゴを奪おうとしたゲスまりさが仲間を連れてやってきている。 まりさはもこうを見ると、顔を膨らませて自信満々にもこうに告げる。 「これからまりさをもやしたゆっくりをせいっさいするよ!」 「ゆゆ~ん♪まりさかっこいいよー。さすがれいむのおむこさんだね!」 「とってもとかいはねまりさ!まりさならきっといつかドスになれるわ!」 「まりさはまさにゆっくりのえいゆうなんだねー。わかるよー。」 「まりさのかりすまとぱちゅのいだいなちえがあわされば、まさにかんっぺきよ!」 どうやらこのまりさはどれ程の規模かは分からないが、群れの長らしい。 ゲスかもしれないがそれなりに有能ではあるらしく、集まっているゆっくりは全員がまりさに従っている。 「あの時のまりさか・・・。もこうはもう一人でゆっくりしたいんだよ。ほっておいてね。」 他ゆんと関わることが煩わしいのか、もこうは嫌そうにまりさ達にそう言う。 だがそんなことにお構いなく、まりさが連れてきたゆっくりは一斉にもこうに襲い掛かった。 「「「「ゲスなゆっくりはゆっくりしないでしねええええええええええ!!!」」」 自分が飛びかかってきたゆっくりを、もこうはつまらなさそうにいちべつする。 ゆっくりと息を吸い込み飛びかかってきたゆっくりに大きく息を吐きだした。 「フジヤマ・ヴォルケイノ!」 あっという間に火だるまとなるゆっくり達。以前にまりさに吐いた炎よりも熱く、そして加減を一切行っていないものだった。 「あぢゅいいいいいいいいいいいいい!」 「あでぃずのとかいはなかおがああああああああああああああああ!」 「あついよおおおおおおおおお!らんしゃまたすけてねえええええええええ!」 必死に火を消そうと転がるゆっくりだが、その火は決して消えることがなかった。 体がじわじわと焼け続ける中で、もこうを襲おうとしたゆっくり達は全員黒こげになる。 「ゆわあああああああああ!まりさのれいむがあああああああああ!」 「むぎゅううううううう!ここはいちどにげるわよまりさ!」 頼みであった仲間と番であったゆっくりの死に驚くまりさと、冷静に逃げるように忠告するぱちゅりー。 だがそんな二匹は逃げることが出来なかった。 「どぼぢでまりさのからだがもえてるのおおおおおおおおお!」 「ぱちゅのからだがあああああああああああああ!」 二匹もまたもこうの炎によって黒こげとなる。黒こげになったゆっくりだった物を冷たい目で見ると、 もこうはてるよと一緒に過ごした広場に久しぶりに行ってみることにした。 広場は無数のゆっくり達によって荒らされていた。 「ゆ?なんだかしらないゆっくりがいるよ。」 「きっとおさがいってたゲスゆっくりだぜ!」 「おさからにげてきたんだね!れいむたちがおさのかわりにせいっさいするよ!」 てるよとの思い出を汚された怒りで震えているもこうに、まりさの群れのゆっくりがせいっさいしようとする。 広場に怒号と悲鳴が響き渡る。 ある所に一匹の胴付きもこうがいました もこうからは優しいおかあさんも大切なお友達もいなくなってしまいました だからもこうはいつも荒んでいました これからももこうの心は荒んだまま生きるでしょう あれからもこうはてるよと一緒に過ごした場所を離れて、旅に出ることにした。 様々な場所に行きゲスや善良なゆっくりにかかわらず出会ったゆっくりを燃やす生活をしている。 ゆっくりを燃やしているときだけ、もこうはゆっくりすることが出来た。 今では人間が暮らしている街に段ボールで作った家を造り住んでいる。 「やべでね!れいむのおちびちゃんにひどいことしないでね!」 今日見つけた獲物は一匹のシングルマザーれいむだった。 比較的綺麗な体であり、最近捨てられた元飼いゆであろう。 もこうはれいむから赤まりさを取り上げると、手の中でゆっくりと赤まりさを燃やし始める。 「あぢゅいんだぢぇぇぇぇぇ!くじゅおやはゆっぎゅりしないでまりぢゃをたぢゅけろおおおおおおお!」 ゲス丸出しであり恐らくこの赤まりさのせいで親れいむは捨てられたのだろう。 そんなゲスであるがれいむには大切な子供であり、必死にもこうから我が子を助けようともこうに体をぶつける。 「はなしてあげてね!はやくしないとおちびちゃんがしんじゃうよ!」 「うるさいな・・・。せっかくゆっくりしてるのに邪魔しないでよ。」 鬱陶しそうにれいむを見ると、もこうはれいむのお飾りに少しだけ火を吹く。 「れいむのおりぼんがもえちゃう!?ひさんはゆっくりしないできえてね!」 「そんなことよりまりちゃをたちゅけろおおおおおおおおおお!」 命と同じぐらいに大事なリボンを守ろうと、あっさりもこうの体から離れて火を消そうとするれいむ。 そんなれいむを罵倒する赤まりさだったが、その声は段々と小さくなっていく。 「もっぢょ・・・ゆっきゅりしちゃっかった・・・。」 「れいむのおりぼんがああああああああああああああ!」 我が子の最後の言葉も耳に入らず、れいむは燃え尽きてしまったお飾りを見ている。 そんなれいむを見てもこうは可笑しそうに腹を抱える。 「あははは!すっごく面白かったよ!じゃあれいむにはもう用はないよ。」 そう言ってれいむに全力で炎を吐くもこう。れいむは絶叫を上げ続けあっという間に黒こげの饅頭になった。 「そこまでだよ!お前が最近ゆっくりを燃やす悪いゆっくりだね!うにゅほがせいっばいするよ!」 楽しい気分を壊されたもこうが後ろを振り向くと、そこには胴付きのゆっくりうつほがいた。 最近野良ゆっくりが燃やされることから、飼いゆにも被害が出るかもしれないと加工所が情報提供を求めたのだ。 ある程度の情報には金一封が出る為、飼い主のために犯人を探す飼いゆの一匹がこのうつほだ。 「もこうはただゆっくりしたいだけだよ。もこうのゆっくりを邪魔しないでね。」 「そうはいかないよ!一人で火さんを使うのは悪いことだから、うにゅほがお兄さんに代わっておしおきするよ!」 そんなうつほをもこうは馬鹿を見るような目でみる。飼いゆに危害を加えることはしたくないが、 こいつは少し痛めつけないと分からないだろうと考える。 「お前もちょっとだけ燃やしてやるよ!」 うつほに向けて炎を吐き出すもこうは、体を火に包まれて驚くうつほを思い浮かべて笑みを浮かべる。 だがうつほはもこうが想像していたよりも驚きの行動に出た。 「なんの!これぐらいの火じゃうにゅほは止められないよ!うにゅほに後退はないのだあ!」 炎に包まれながらもうつほはもこうに近づこうと歩を進め続ける。 今までこんなゆっくりを見たことがなかったもこうは驚いて棒立ちになる。 「くらえ!うにゅほ十字鳳!」 火に燃やされながら腕を広げてもこうに体当たりをするうつほ。まともに体当たりを受けてもこうは地面に倒れこむ。 茫然とするもこうに、うつほは大仰に言葉を放つ。 「どう!?今降参するならうにゅほも人間さんも許してくれるよ。」 そんな言葉をもこうはまったく聞いていなかった。ゆっくりと立ち上がるとうつほを睨みつける。 今まで大した痛みを受けたことがなかったこともあり、初めての痛みとなった原因であるうつほに怒りを覚える。 「よくもやったな!さっきの手加減したけど、もう手加減なんてしないぞ!」 怒りを込めた拳をうつほの顔に叩きこむもこう。炎では効き目がないと思い、素手での攻撃を行うことにしたのだ。 殴られたうつほは、一瞬顔をゆがめるがすぐに不敵な笑みになる。 「中々やるね!でもお兄さんに鍛えられたうにゅほはこんなんじゃやられないよ!」 同じようにもこうを殴り返すうつほ。それに対してもこうもまた殴り返す。 しばらくお互いを殴りあう音が二匹以外誰もいない路地裏で鳴り響いていく。 「「ゆぎゅ!」」 お互いが放った一撃が同時に両者の顔にヒットする。 ちょうどクロスカウンターのような形となり、お互い地面に倒れこんでしまう。 「なんでお前はもこうの邪魔するんだよ、もこうはゆっくりしたいだけなのに・・・。」 そういって悔しそうに倒れたもこうが、立ち上がったうつほに言う。 それに対してうつほは少し考え込んでからもこうに答えた。 「誰だってゆっくりはしたいよ!でも周りに迷惑をかけるかもしれないことをしちゃ駄目って、 お兄さんや学校さんで教えてもらったからもこうを止めたんだよ!」 もこうはそれを聞いてまた悔しそうに顔をゆがめる。 「そんなこともこうは知らないよ!もこうには教えてくれるおかあさんもお友達もいないんだから!」 「うにゅ?もこうにはお友達がいないの?」 それを聞いたうつほはもこうのことを可哀想だと思った。 もし自分に優しいお兄さんやお友達がいなければきっと寂しいと思ったからだ。 「じゃあうにゅほがもこうのお友達になるよ!そうすればもこうに色々教えてあげることができるよ!」 何の躊躇いもなくうつほがそう言うが、もこうはてるよのことを思い出し激怒する。 自分の友達はてるよだけなんだと。 「誰がお前なんかと友達になるか!もこうはずっと一人で生きるんだよ!」 「うにゅ・・・。」 良かれと思って言ったことだったが、もこうの怒声に驚いてしまう。 何とか立ち上がろうとするもこうの前に、一人の男が現れた。 「ここにいたかうにゅほよ!この俺の断りなく家を出るとはどういうことだ!」 「うにゅ!?お兄さん!」 現れたのはうつほの飼い主であるお兄さんだった。少し汗ばんでいるのはうつほを探し回っていたからだ。 素早くうつほに近づくと、お兄さんはうつほの頭に手加減して手刀を打ち付ける。 「勝手に外に出歩くでない!只でさえ野良ゆっくりが燃やされて危ないだけでなく、 マスクを被ったHENTAIがいるらしいのだから!」 「ゆわーん!お兄さんごめんなさい!!」 口は尊大だがうつほのことを心配していたようであり、叩かれたうつほも反省している。 うつほを叱り終えると、お兄さんはふらふらと立ち上がったもこうに気づく。 「何だこのゆっくりは?」 「もこうはうにゅほのお友達だよ!」 「誰が友達だ!勝手に友達にするんじゃない!」 三者三様の言葉が路地裏に響く。弱っているもこうはやってきたお兄さんはただ睨み続けている。 そんなもこうをお兄さんは面白そうに見ながら、うつほから何があったのかを聞く。 「ほう・・・、中々骨のあるゆっくりではないか。気に入った! うにゅほの強敵(とも)ならば、この俺の家で飼ってやろうではないか!」 「いいのお兄さん!?」 思いがけないお兄さんの言葉に、うつほは嬉しそうに目を光らせる。 勝手に飼われそうになるもこうは、普通の野良ゆであれば喜ぶところだが逆にお兄さんに食って掛かった。 「勝手に話を進めるんじゃない!もこうは人間に飼われようなんて思わないよ!」 「フハハハ!!遠慮するでないもこうよ!帝王は例えゆっくりであろうと、配下を保護するのが勤めよ!」 強引に話をまとめようとするお兄さん。さっそく持ってきたオレンジジュースで手際よくもこうの怪我を治療すると、 もこうを抱えあげる。 「離せ!もこうは一人で生きるんだ!」 「虚しいことを言うでないもこうよ!この俺も一度はそんなことを考えてゆ虐をしていたが、 ある一匹のゆっくりによってそんな愚かな考えを改めたのだ!」 「お兄さんは優しいよ!それにお兄さんに教えてもらえば、きっともこうも強くなれるよ!」 そうして半ば無理やりもこうを家へと連れて帰るお兄さんだった。 ある所に一匹の胴付きもこうがいました もこうにはちょっと変ですが優しいお兄さんと大切なお友達がいます だからもこうはいつも幸せです これからももこうはきっと幸せに生きていくでしょう 今もこうのお飾りには銀バッジが付いている。あの後お兄さんの飼いゆとなりバッジ試験に受かったのだ。 最初はお兄さんに師事され強くなった後に逃げようとしたが、毎回お兄さんに見つかり逃げることが出来なかった。 「何処へ行こうというのだ!帝王からは逃げることはできぬ!」 そうしていつの間にかもこうは、そんな生活を楽しんでいることに気づいた。 バッジ試験にも受けることになったが、その性格の為中々金バッジを取ることは出来ないが。 「静かにしてねー。今日は皆に新しいお友達が増えます。」 うつほと一緒にゆっくりスクールに通うことになったもこうはそこで衝撃的な場面に出くわす。 教師役である愛でお兄さんの言葉の後に教室に入ってきたのは、胴付きのてるよであった。 「久しぶりねもこう。貴方がここにいるって聞いたからお兄さんに言って私もここに通うことにしたのよ。」 「てるよ!?お月さまに帰るって言ったじゃない!」 そのてるよは胴付きであったが、自分の最初の友達であるてるよだともこうはすぐに気づいた。 驚くもこうの顔をてるよは面白そうに眺めている。 「そうよ。お月さまに帰って、またここに戻ってきたのよ。貴方の生活も覗いていたけれど、面白かったわ。」 「この馬鹿てるよ!勝手に帰って勝手に戻ってくるなんて自分勝手すぎるぞ!」 すぐにてるよに飛びかかるもこう。馬乗りになってぽかぽかとてるよの頭を叩く。 「やめなさいもこうちゃん!そんなに喧嘩ばかりしちゃ駄目です!」 教師役である愛でお兄さんは慌ててもこうを引きはがしにかかる。 もこうとてるよの顔はどこか泣き笑いのようであった。 おまけ お師さん・・・もう一度ぬくもりを・・・ 「よし、今日はこれまで!」 「「お兄さんありがとうございました!!!」 「うむ!ではいつもどうりに俺の愛の抱擁を与えよう!」 「お兄さん・・・、やっぱり裸にならないと駄目なの?」 「うにゅほはこれ大好きだよ!お兄さんの大きな体と、温かい体に抱きつかれるとうにゅほ気持ちいいもん!」 「そうだぞもこう!これは俺がまだ虐待お兄さんであったころに、心の師であるゆっくりにされた由緒ある抱擁なのだ!」 「でも体を擦りつけなくても・・・。」 「厳しい修行の後のマッサージだ!さぁ早く服を脱げ!うにゅほはもう服を脱いでいるぞ!」 いつものお兄さんの体術の訓練の後のこれだけは、もこうは嫌であった。 なんだか体がむずむずするし、何よりお兄さんの股間に何か固いものがあるからだ。 このことを友達のてるよに相談したところ、食べていたお弁当を吹きかけられて酷い目にあったがてるよからある説明を受けた。 ゆっくりスクールから帰った後、もこうは無言でお兄さんを燃やした。 後書き HENTAIあき完全復活ッッッ! 風邪も治って本調子になったので、希少種胴付きシリーズも順調です。 本当に最近はゆうかわさんや他のSS作家さんの胴付き愛で物を見て自分も負けない様に日々精進しております。 今回は以前に書いた「ゆっくりの寿命」のコメントにあったもこうとてるよを掘り下げて書いてみました。 補足すると、てるよはもこうに燃やされて胴付きへの転生、もこうはてるよの灰を食べて胴付きになると考えました。 転生中のてるよは「違うありす」のように、一時的に幽霊のような状態でもこうのことを見ていました。 今回出てきたお兄さんは皆さん分かっているかもしれませんが、自分も大好きな北斗のあの御方です。 タイトルが被っていたので変更した、「特異体質を持つ愛でおにいさん」でびゃくれんさんにTUGUNAIされた お兄さんと同一人物です。あの後ゆっくりショップに向かい、数多くいたお兄さんを血祭りにあげて見事にうつほをGETしました。 ポールあきさんネタ被りしてしまいごめんなさい。ゲスもこうというイラストを参考にさせてもらったブーンあきさんもすみません。 長々と後書きが書きながら次回はえーりんのSSでも書こうかなと思うHENTAIあきでした。 以前書いたもの ふたば系ゆっくりいじめ 993 初めてのおつかい ふたば系ゆっくりいじめ 1003 寂れた神社で ふたば系ゆっくりいじめ 1014 ゆーパチ「ヒャッハー!虐待だぁ!」 ふたば系ゆっくりいじめ 1024 めーりんの憂鬱 ふたば系ゆっくりいじめ 1036 別れと出会い ふたば系ゆっくりいじめ 1043 夜の怪奇現象 ふたば系ゆっくりいじめ 1058 S計画 作られたゆっくりたち ふたば系ゆっくりいじめ 1072 胴付きへの進化 ぱちゅりーの場合 ふたば系ゆっくりいじめ 1080 違うありす ふたば系ゆっくりいじめ 1087 まりさ家出する ふたば系ゆっくりいじめ 1099 てんこを良い子にする方法 ふたば系ゆっくりいじめ 1108 きめぇ丸?いいえしゃめい丸です ふたば系ゆっくりいじめ 1144 別れと出会い まりさのトラウマ編 ふたば系ゆっくりいじめ 1155 ゆっくりスクール ふたば系ゆっくりいじめ 1159 ゆっくりの寿命 ふたば系ゆっくりいじめ 1165 ゆっくりクラブ ふたば系ゆっくりいじめ 1178 まりさひどい目に遭う ふたば系ゆっくりいじめ 1184 オレンジジュースを買いに ふたば系ゆっくりいじめ 1216 特異体質を持つ愛でお兄さん ふたば系ゆっくりいじめ 1233 新月の夜に ふたば系ゆっくりいじめ 1247 しっかりゆっくりとうっかりゆっくり HENTAIあきの作品集 トップページに戻る このSSへの感想 ※他人が不快になる発言はゆっくりできないよ!よく考えて投稿してね! 感想 すべてのコメントを見る 後書きに書いてある胴付きになる原理(転生や吸収)が突発過ぎるwww そこを本文に書いてほしいお!! -- 2018-03-29 22 14 20 我がもこうに何てことを‼︎貴様の髪毛一本すらこの世に残さん‼︎ -- 2015-11-20 18 40 45 お兄さん生きてるのかw 胴付き希少種はいいな -- 2014-06-25 19 49 24 HENTAIあきさんは 胴つき・ゲス制裁・HENTAI 俺好みに作っているとしか思えん!!! -- 2014-06-11 21 06 33 なんて愛に溢れる帝王だ… -- 2010-12-06 01 18 18 HENTAIあきさんの胴付きはかわいくて、泣かせてくれる 最高のゆっくりです。 -- 2010-07-27 01 40 31 ゲス制裁・希少種愛で・胴付き・HENTAI・かぐもこおくう…なんて贅沢な作品だ! -- 2010-06-30 02 21 14 いい話だ・・・HENTAI要素好き。 -- 2010-06-21 04 07 26